CRMシステムで解決できる課題って?導入時・運用時の問題点と対処法を解説

CRMシステムで解決できる課題って?導入時・運用時の問題点と対処法を解説

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CRMとは、顧客のニーズや行動をもとにマーケティングを行うマネジメント手法や、そのために使用するITツールのことです。

CRMを導入すれば、企業が抱えるさまざまな課題を解決に導けます。

本記事では、CRMの導入によって解決できる課題と導入時・運用時の問題点を紹介しましょう。

CRMの導入を検討している企業や運用に課題を抱えている企業は、ぜひご一読ください。

 
シニヤン

顧客管理の意味を持つ「CRM」は、近年ますます注目を集めていて、たくさんの企業がシステムの導入を進めているね。


 
ビギニャー

僕、CRMシステムを使っているのは大企業だけかなと思っていたんですけど、中小企業にとっても重要だって話を聞いてびっくりしました!


 
シニヤン

企業の規模にかかわらず、ビジネスでは「お客さんとのお付き合い」を続けることが大切だからね。CRMは、お客さまとのお付き合いのなかで生じる課題をたくさん解決してくれるんだよ。

CRMシステムの導入で解決できる課題

CRMを実施するときは、顧客情報をシステムで蓄積・管理して、行動やニーズを分析しながら良好な関係性の構築や顧客育成を目指します。

CRMの目的や役割を理解していても、導入後にどのような課題を解決できるのかを具体的にイメージできていない方は多いかもしれません。CRMを導入すると、以下のような課題が解決できます。

  • 膨大な顧客情報を整理・活用できない
  • 多様化する顧客ニーズに対応できない
  • 良好な関係性の構築が難しい

詳しくみていきましょう。

膨大な顧客情報を整理・活用できない

企業が取り扱う顧客の情報は、以前と比べると膨大なものとなりました。氏名や住所はもちろん、性別や職業、購入履歴、問い合わせ履歴など、さまざまな顧客情報を収集・蓄積しています。情報収集したはいいものの、膨大すぎて整理や活用が追いついていない企業は多いのではないでしょうか。

CRMシステムを導入すれば、膨大な顧客情報をシステム上で整理・管理できるようになります。その結果、必要なときに必要な情報をすぐアウトプットできたり、情報を分析して新しい施策に活かしたりすることが可能となります。

部門を超えた情報共有もスムーズになるので、カスタマーサービスや営業部門との連携も容易になるでしょう。

多様化する顧客ニーズに対応できない

価値観やライフスタイルが多様化してきた日本社会では、顧客のニーズも同様に多様化しています。常に変化するニーズに企業が応え続けるのは容易なことではなく、顧客ニーズの変化についていけないと考える企業も多いかもしれません。

現代の顧客ニーズに応えるためには、顧客のことを徹底分析して「どのような顧客が・どの商品を・どこで・いつ・なぜ求めるのか」を知る必要があります。

そこで必要になるのが、CRMの考え方やシステムなのです。CRMを導入すれば、顧客情報をデータベース化し、蓄積できるようになります。

その情報をさまざまな角度から分析すれば、正確に顧客ニーズを把握でき、必要とされている商品やサービスの提供につなげられるでしょう。

良好な関係性の構築が難しい

さまざまな商品やサービスがあふれている現代の市場。以前のような、「質がよければ売れる」とされてきた時代は終わり、価格や品質だけで生き残ることが難しくなってきています。それでは、企業は価格や品質以外の何を武器に戦っていけばいいのでしょうか。

それは「顧客との関係性」です。CRMシステムを活用して顧客ニーズを把握し、最適なマーケティングを行えば、「顧客ファースト」のアプローチが可能となります。顧客ひとり一人のニーズに丁寧に応えられれば、顧客からの信頼を高められるでしょう。

信頼関係が構築された顧客は、企業に多くの利益をもたらすロイヤルカスタマーになってくれます。ロイヤルカスタマーが増えていけば、企業が新規営業のコストを抑えたとしても、既存顧客から多くの成果を得られるようになるでしょう。

顧客が離れていってしまう原因

情報を顧客自身が探して得られるようになったインターネット社会では、競合製品やサービスの比較・検討が簡単にできるようになりました。その影響で、「気分によってブランドを変える」「もっといい商品がありそうだから乗り換える」などの判断が頻繁に行われるようになってきています。

このような「顧客離れ」を防ぐために必要なのは、顧客のニーズに合わせたアプローチです。CRMシステムを導入して顧客のニーズを把握すれば、ひとり一人の要望に適した効果的なアプローチができるようになるでしょう。

「このブランドは他と違う」「自分にピッタリだ」と思ってもらえれば、顧客離れを防げます。

 
ビギニャー

なるほどぉ。CRMで顧客ファーストの施策を実施できれば、企業の課題も解決できるし、お客さまにも自社を好きになってもらえるしで、メリットがたくさんなんですね!


 
シニヤン

CRMシステムの導入で解決できる課題は多いんだけど、システムの導入時に課題が生じることも事実なんだよね。


 
ビギニャー

えっ!「サッとCRMを導入してすぐに課題解決!」とはいかないんですね……。

CRMシステムの導入の課題と対処法

企業の課題解決のために導入されるCRMですが、そのCRMを導入する際に新しい課題が生じることは見落とされがちです。CRMシステムを導入するときの課題としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 導入目標を明確にできていない
  • 自社にあったシステムを選ぶのが難しい
  • 必ずしも売上に直結するとは限らない
  • 営業部門から不満が上がる

各課題の詳細と対処法をみていきましょう。

導入目標を明確にできていない

「CRMがあると便利だと聞いたから」と、なんとなくCRMシステムの導入を検討する企業もあります。目的が明確でない状態でシステムを導入した場合、機能を使いこなせなかったりコストを無駄にしてしまったりするリスクがあるため注意が必要です。

自社が抱えている課題や導入目的によって、必要な機能や活用方法は大きく異なります。CRMを導入するときは、必ず目的を明確にしておきましょう。

自社にあったシステムを選ぶのが難しい

現在、さまざまなCRMシステムが市場に出回っています。多くのシステムから自社にあったものを選ぶのが難しく、なかなか導入が進まないという企業は珍しくありません。最適なCRMシステムを選ぶためには、次の3点を明確にしておく必要があります。

  • 導入目的
  • 自社の課題
  • 導入により達成したい目標

上記の3点により、必要な機能は大きく異なります。まずは自社でCRMに求める機能や効果を整理し、それにあったシステムを探しましょう。無料トライアルなどで試してから導入できれば、より安心です。

必ずしも売上に直結するとは限らない

CRMは、必ずしも売り上げに直結するシステムではありません。CRMは、あくまで顧客理解を深めてアプローチを最適化するための補助ツールです。導入後にしっかりと活用できなければ、売上を向上させることはできないでしょう。

CRMの導入には高いコストがかかるため、「売上に直結しないのであれば不必要」と導入の承認が下りない企業もあるかもしれません。しかし、CRMの導入には「ロイヤルカスタマーの育成」「業務の効率化」など間接的な売上・利益向上効果があります。

CRMを売上に繋げるためにも、導入時は戦略的な活用フローや運用体制を構築しておくことをおすすめします。

営業部門から不満が上がる

CRMを導入することになれば、業務フローを大きく変更しなければいけません。今まで各営業担当者が自己流で情報管理していた場合、システムを経由する手間が増えるため、不満が上がることもあるでしょう。

たしかに、CRMを導入すると情報入力の手間が増えるため、従業員に一時的な負担が生じます。しかし、一度蓄積した情報は長く企業に利益をもたらしてくれる財産になりますし、迅速なアウトプットや高度な分析を可能としてくれます。

そのため、長期的にみるとCRMを業務フローに取り入れることにはメリットが豊富なのです。このようなメリットをしっかりと理解してもらったうえで、現場に負担がかかりにくい操作性のシステムを選ぶことが大切です。

 
ビギニャー

なるほどぉ。導入システムの選定とか現場から理解を得るとか、CRMシステムを導入するときはたくさんの課題を乗り越えていかないといけないんですね。


 
シニヤン

そうなんだよね。そうしていくつもの課題を乗り越えてCRMを導入したあとにも、課題はあるんだ。


 
ビギニャー

えぇ……。導入後にも課題があるんですか……?

CRMシステム導入の課題と対処法

CRMをうまく活用して成果を出すためには、導入後に生じる課題にも対処していかなければいけません。システム導入後によくある課題としては、以下の2点が挙げられます。

  • うまく活用できない
  • 費用対効果がわからない

各課題の詳細と対処法をみていきましょう。

うまく活用できない

よくあるのが、CRMを導入したものの、使いこなすことができないという課題です。CRMをうまく活用できない理由としては、次のようなものが挙げられます。

  • システムの操作が難しい
  • 業務フローが確立されていない
  • システムの導入や目的が周知されていない

上記の問題を解決するためには、実際にCRMシステムを取り扱うマーケティング・営業部門としっかりコミュニケーションを取ることが大切です。

コミュニケーションを取りながらCRMの重要性を浸透させていくことができれば、積極的に活用してもらえるようになるでしょう。

費用対効果がわからない

CRMは売上に直結するシステムではないので、費用対効果を測る指標がありません。そのため、導入した意味があるのかと、懐疑的な目を向けられてしまうこともあるでしょう。

売上に直結せずとも、CRMを導入すればさまざまな利益を得られます。得られる利益としては、顧客ひとりあたりの単価向上や業務時間短縮などが例として挙げられます。

CRMの費用対効果を測りたいときは、顧客単価や残業時間などを指標として、多角的な視点で評価するとよいでしょう。

「クロスセルの成功率が上がった」「データ探しの手間が減って業務時間が削減された」という成果があれば、CRMが高い効果を出していると判断できます。

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ビギニャー

ふむふむ。CRMの機能やメリット・デメリットがしっかりと整理できました!先輩、ありがとうございます。


 
ビギニャー

こうやってみてみると、CRMの導入や運用ってなんか難しそうですよね。ちゃんと課題を解決しつつ高い成果を上げるためには、どんなところに気をつければよいのでしょうか?


 
シニヤン

CRMを導入するときは、5つのポイントを意識するといいよぉ。

CRMシステム導入で課題を解決するためのポイント

企業が抱えている課題を解決したり高い成果を出したりするためには、以下のポイントに気をつけながらCRMシステムを導入する必要があります。

  • 現場の意見を反映する
  • 必要な機能を見極める
  • 既存ツールとの連携が可能か確認する
  • セキュリティに気をつける
  • サポート体制を確認する

各ポイントの詳細を説明します。

現場の意見を反映する

CRMを選ぶときは、実際にシステムを操作する現場の意見を優先しましょう。いくら高性能なシステムを導入しても、現場が使いにくいと感じてしまえば、CRMが浸透しない可能性は高くなります。

まずは、現場の課題や希望する機能をヒアリングし、それに沿ったシステムを選定することが大切です。そのうえで、無料トライアルなどを活用して操作性を確認してもらいましょう。

必要な機能を見極める

必要な機能を見極めて絞り込むことも、CRMを導入する際は重要となります。高性能で多くの機能が搭載されたCRMは魅力的ですが、操作が複雑になりやすく、費用も高くなる傾向にあります。

せっかくシステムを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。自社のニーズにあわせて必要な機能を絞り込み、シンプルな操作感で使えるシステムを導入することがおすすめです。

既存ツールとの連携が可能か確認する

すでに何らかのITツールを使用している場合は、導入するCRMと連携が可能かどうかについて確認しておきましょう。

システム間でデータを連携できなければ、どれほど便利なシステムを導入しても、業務を効率化することはできません。必ず、既存ツールとシームレスに連携できるCRMシステムを選んでください。

セキュリティに気をつける

膨大な顧客情報を管理するCRMには、高水準のセキュリティが求められます。万が一顧客情報が漏洩したら、企業は責任を問われるだけではなく、信頼を失墜させてしまうかもしれません。

何か起きてから対応するのでは遅いので、トラブルを未然に防げる、セキュリティが万全なシステムを選ぶことが大切です。

サポート体制を確認する

初めて使うシステムを導入するときは、サポート体制をしっかりと確認しておきましょう。CRM導入時はもちろん、運用していく際もトラブルや疑問点が生じ、サポートが必要になるタイミングは多々あるでしょう。

この際、「メールでしかサポートが受けられない」「すぐに対応してもらえない」となると、現場に多大なストレスを与えることになります。迅速なトラブル処理やシステム活用を促進するためにも、サポートが丁寧で手厚いCRMを選ぶことがおすすめです。

 
ビギニャー

メモメモ。CRMを導入して課題を解決したい企業、実はお客さんにたくさんいるんですよね!さっそく、アドバイスしてきます~~!


 
シニヤン

おっ、いってらっしゃい。お役に立てるといいねぇ、応援してるね。

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