

リードナーチャリングは、見込み顧客と信頼関係を深め、自社の顧客へ育てるためのマーケティング施策です。営業活動しているのにリードナーチャリングをしていないなんて、もったいないかも!?今回はお客さま獲得に効果的なリードナーチャリングについて徹底解説します!
先輩、忙しそうに何をしているんですか…?
ああ、ビギニャー君。ちょうどいいところに来たね。今、ナーチャリングに活用するためにセミナーのアンケートを集計してるんだ!手伝ってよ。
いいですけど、ナーチャリングって……!?先輩は一体何をしようとしているんですかっ!?
マーケティングで重要な「ナーチャリング」とは?

ナーチャリングとは、「育成」という意味を持つ言葉です。ビジネスやマーケティングでは、一般的に「顧客育成」の意味で使われており、以下のような施策のことを指します。
〈ナーチャリングの2つの施策〉
- 見込み顧客を購入につなげられる状態まで育成する
- 既存顧客がリピーターや優良顧客になるよう育成する
通常は、既存顧客を育成することを「ナーチャリング」見込み顧客(リード)を育成することを「リードナーチャリング」と呼んで区別します。この記事では、企業が新規顧客を獲得するうえでとっても重要となる「リードナーチャリング」についてご紹介します。
へぇ、お客さまを育成することをナーチャリングって言うんですね!
そうそう。最近は以前のような営業活動が通用しなくなってきているから「アプローチして終わり」ではなくて、ナーチャリングの考え方が欠かせなくなってきているんだよ。
そ、そうなんですか?どうして今ナーチャリングが必要とされているのか、とっても気になります!
リードナーチャリングが必要な理由

それでは、どうして今ナーチャリングが注目されているのでしょうか。そこには、3つの理由があります。
購入プロセスが長期化してすぐに買わないお客さまが増えたから
近年は、以前と比べて購入するまでの意思決定プロセスが長期化してきています。とくにBtoB商材は単価が高いものが多く、購入までに何人もの意思決定が必要になるので、「営業されたらすぐに購入!」というわけにはいきません。
BtoCであっても、商品に興味を持ってから「検索」「比較」「検討」と時間をかけて購入を決断することがほとんどなので、購入プロセスがとても複雑になりました。
購入の意思決定までに数か月という時間を要することも珍しくない現代のマーケティングでは、一度興味を持ってくれたお客さまを放置していては、購入につなげられない可能性があります。そのため、定期的にコミュニケーションを取って気持ちを掴み、自社を選んでもらうための動機付けを行なう「リードナーチャリング」が大切なのです。
お客さまの購買行動が変化したから
インターネットの普及によって、お客さまの購買行動は大きく変化しました。一昔前のマーケティングは、店舗に来てくれたお客さまに商品をおすすめしたり、訪問販売などの営業活動が主流でした。
しかし、近年は、お客さま自身が情報を収集して比較・検討することができるようになったので、こういった営業手法だけでは通用しにくくなってきています。そのため、お客さまと少しずつ信頼関係性を構築して購入に至ってもらう「リードナーチャリング」が欠かせなくなりつつあるのです。
つながりがあるお客さまと接点を持つことが大切だから
企業には、必ず、過去に1度商談をしたものの、それ以降の接点を持たずにそのまま放置されてしまっている「休眠顧客」というお客さまが存在しています。自社とつながりを持ってくれた休眠顧客は、製品やサービスへの理解が深いため、しっかると育成できればリピーターや優良顧客に育ってくれる可能性が高い傾向にあります。
そのため新規顧客を獲得することばかりに目を向けるのではなく、既存顧客や休眠顧客などといった、つながりがあるお客さまと接点を持ち続けることが肝心です。せっかく興味やつながりを持ってくれたお客さまが、知らない間に「どこか競合他社に奪われてしまう機会損失」を防ぐためには、長期的なフォロー、つまり「ナーチャリング」の考え方が不可欠なのです。
たしかに、僕も商品をおすすめされたら家に帰って検索しながらじっくりと考えてることが多いです……。そんなときに継続的にフォローしてもらえると、商品にもっと興味を持っちゃうかも!
うんうん、そうなんだよねぇ。リードナーチャリングを行うと新しいお客様の獲得につながるんだけど、デメリットもあるから、その点も理解しておくことが大切だよ。
え!?デメリットもあるんですか!?
リードナーチャリングのメリットとデメリット

マーケティングや営業活動に欠かせないリードナーチャリングですが、実は企業にメリットだけではなくデメリットをもたらしてしまうこともあります。ここでは、リードナーチャリングのメリットとデメリットや課題について整理してみましょう!
リードナーチャリングのメリット
- 受注率がアップするリードナーチャリングを行えば、見込み顧客を購入につなげることができるため、受注率が上がります。今までは一度きりのアプローチで取りこぼしていたお客さまも、リードナーチャリングで定期的にコミュニケーションを取って信頼関係を構築しておけば、自社の顧客になってもらえる可能性が上がります。さらに、顧客になったあともナーチャリングを継続することで、カスタマーエンゲージメントがアップして優良顧客に育てられる可能性が高まるでしょう。MAツールを活用して効率的にリードナーチャリングを行えれば、集客コストを押さえつつ高い効果を期待できます。
営業マンのスキルや経験に依存しない従来のマーケティングや営業活動は、店頭での接客スキルや営業マンの商談スキルや経験に依存していました。この営業手法の場合、営業を行うスタッフのスキルによって企業の利益が大きく左右されてしまうというデメリットがありました。しかしリードナーチャリングでは、おもにMAツールなどのデジタルツールを活用してお客さまへアプローチしていきます。そして、成約の可能性が高まったお客様に対して営業マンが集中的に対応することで、効率的にコンバージョンを得られるようになるのです。
このように、リードナーチャリングは「育成」と「成約」のプロセスを分業できるため、営業マンのスキルに依存せず安定した成果を上げられるというメリットがあるのです。
リードナーチャリングのデメリット
- 理由づくりが不可欠リードナーチャリングでは定期的に見込み顧客へアプローチしていくことになりますが、接点の理由づくりが上手くいかないと「しつこい」と思われて印象を悪くしてしまうおそれがあります。たとえ興味がある商品でも、「毎日メールが届く」「検討中なのに頻繁に電話がきて急かされているように感じる」という場合、なんとなく企業だけではなく製品のイメージまで下がってしまいますよね。しつこいと思われないように、お客さまの気持ちを考えながら適切な頻度で接点を作ることが肝心なのです。
企業のリソース不足リードナーチャリングを行う際は、事前準備やツールの導入コストなど一定の期間や費用がかかります。ツールを導入して社内の体制が整ってしまえば効率的なマーケティング活動ができるようになりますが、そうなるまでにはある程度のリソースが必要になるのです。必要な時間や費用だとわかっていても、日々の業務に追われてリードナーチャリングの実施を先送りにしてしまう企業も少なくありません。なかなか自社で準備を進めることが難しいというときは、マーケティングやリードナーチャリングに詳しい企業に手伝ってもらうとスムーズでしょう。
なるほど……。デメリットの部分を補いながら、メリットを最大化できるようにリードナーチャリングをしていくことが大切そうですね!
そのとおり。ちなみに、リードナーチャリングはいろいろな手法で行うことができるんだよ。
次は、リードナーチャリングの手法とそれぞれのメリットについて見てみようか。
リードナーチャリングの6つの手法

リードナーチャリングを行うときは、さまざまな手法が活用できます。ここでは、リードナーチャリングの手法ごとに特徴やメリットについてご紹介します。
SNSやオウンドメディア
SNSやオウンドメディア(自社で運営しているWebサイト)でお客さまにとって有益な情報を発信することで、商品の良さだけではなく企業の強み、ビジョンなどを伝えられます。質の高い情報発信を続ければお客さまの信頼や親近感を勝ち取ることができ、自社のファンになってもらえるかも……!?
電話
近年は、お客さまに電話をかけて抱えている課題をヒアリングしたり、コミュニケーションを取る非対面の営業活動(インサイドセールス)を行う企業が増えてきています。売り込みではなく、関係性を築くリードナーチャリングに重点を置くようになった点が大きな特徴です。電話によるリードナーチャリングは、デジタル機器が苦手な年代層のお客さまにもアプローチしやすいというメリットがあります。
DM
パンフレットや試供品を送るDM(ダイレクトメール)も、デジタル機器が苦手なお客さまへのアプローチに適しています。また、手に取れる状態で情報が届くことが特別感を演出してくれ、ほかの手法では難しい「体験」や「感動」も届けられるというメリットがあります。
メール
ストーリー性があるメールを段階的に送信する「ステップメール」や、見込み顧客の属性ごとに最適な内容を送信する「ターゲティングメール」などを送ることで、お客さまの購買意欲を刺激できます。開封率やクリック率などの効果が測定しやすく、幅広い層に効率よくアプローチできる点がメリットです。
セミナー
高額な商材や購入にあたって特別な説明や対応が必要な商材は、セミナーを定期的に開くこともリードナーチャリングとしては有効です。セミナーは、とくに買うかどうかを具体的に検討し始めたお客様に対しては効果的でしょう。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、自社サイトを訪問したことがあるユーザーに対し、自社の広告を配信することです。一度興味を持ってくれたお客さまに対してアプローチできるため、休眠状態の見込み顧客に効果的です。
ここで挙げたのは代表的な手法で、リードナーチャリングにはほかにもいろいろなアプローチ手法があります。ぜひそれぞれの特徴をよく比較して、自社の商材やターゲットに合った手法を見つけてみてくださいね!

企業がお客さまと信頼関係を築くためにコミュニケーションを取る際は、さまざまなツールや手法を活用できます。 顧客とのコミュニケーションは情報伝達だけでなく、ニーズ.....
へぇ~、リードナーチャリングを行う手法ってたくさんあるんですね!でも、リードナーチャリングのはじめ方も、効果的な手法も僕にはわからないです……!
それじゃあ、ビギニャー君にもわかるように、リードナーチャリングのはじめ方を5つのステップに分けて解説するね!
リードナーチャリングをはじめるステップ

リードナーチャリングを実際に取り入れたいと思っても、はじめ方がわからなくて戸惑ってしまう企業は多いものです。ここでは、リードナーチャリングをはじめるステップについてやさしく解説します。
ターゲットを明確にする
まずは、ターゲットを明確にします。ターゲットを決めるときは、以下の3つのポイントについて深堀りしてみましょう。
- 属性:年齢、職業、業種、業態、居住地 など
- 課題:どのようなことに悩んでいるのか、どのようなことを実現したいのか など
- 価値観:安定志向、贅沢志向、優越感、個性表現 など
どのような人をターゲットにするかを決められれば、最適なアプローチや提供情報を見極めやすくなります。
見込み顧客を正しく管理する
次に、見込み顧客の情報を管理します。資料請求や会員登録、アンケートなど、企業はいろいろな方法で見込み顧客の情報を手に入れられますが、単に情報を持っているだけでは十分に活用できません。
集めた情報の整理や統合、不要な部分の削除などを行って一元管理できるようにすることで、より取り扱いやすい情報になります。こういった情報の一元管理は、MAの機能に搭載されています。
見込み顧客とコミュニケーションを取る
見込み顧客の情報を整理して一元管理できたら、その情報を活用して顧客とのコミュニケーションを取りましょう!
一口に見込み顧客といっても、お客さまの興味や意欲はバラバラです。たとえば、セミナーに足を運んでくれたお客さまと、資料請求をしただけのお客さまでは、製品に対する興味や熱意が異なることが予想されますよね。
すべてのお客さまに同じアプローチをしても効果が出にくいので、「セミナーに来た人には電話する」「資料請求をした人にはDMを送る」など、それぞれの心理状態に合わせてコミュニケーションを取ることが大切です。
見込み顧客の行動を管理して分析する
リードナーチャリングでは、継続的にお客さまとコミュニケーションを取り続ける必要があります。
適切なアプローチを続ければお客さまの心理状況は変化していき、さまざまな行動をとってくれるようになるでしょう。たとえば、「メルマガをクリックしてWebサイトをすみずみまで見てくれた」「カタログを見てお問い合わせの電話をくれた」などの行動が見られた場合、お客さまの興味や関心、心理状況が変化していることが予想できますよね。
リードナーチャリングでは、こういったお客さまの行動を管理・分析して、変化していく心理状況に合わせてアプローチ方法を変えることが大切です。顧客の行動管理はMAツールを通して行えるので、お客さまの動きにしっかりとアンテナを張っておきましょう。
マーケティング施策や営業活動に活かす
リードナーチャリングを実施するときは、定期的に成果を計測することが肝心です。どれほど見込み顧客が育成できたのか、どれほどコンバージョンにつながったのかをスコアリングし、問題点があれば次の施策に活かします。このときもMAツールがあれば、複雑なスコアリング業務を自動化することができます。
なお、施策の問題点や課題を洗い出すときには、お客さまと企業との接点やフェーズごとの顧客心理や行動を可視化できる「カスタマージャーニーマップ」の活用がおすすめです。リードナーチャリングを行う際は、ぜひカスタマージャーニーマップの作成も行ってみてくださいね!
なるほど!ステップを踏みながらMAツールを活用すれば、僕でもリードナーチャリングをはじめられそうです!
そうだね。リードナーチャリングを自分たちの力だけで行うのは大変だから、活用できるツールやサービスは積極的に利用してみるといいよぉ。
最後に、リードナーチャリングに活用できるツールの一例を紹介しておくね!
自動化・効率化するツールとサービス

見込み顧客の心理状態やフェーズに合わせて行うリードナーチャリングを人の力だけで行うことは、実はとっても大変です。そのため、リードナーチャリングを自動化・効率化できるツールやサービスを活用することが一般的です。
最後に、リードナーチャリングに活用できるツールやサービスをいくつかご紹介します!
- メール配信ツールメール配信ツールは、見込み顧客を属性ごとにリスト化(セグメンテーション)して、それぞれの心理状態やニーズに合わせて最適な内容のメールを送ることが可能です。もちろん、ステップメールにも対応していて、開封率やクリック率などの効果検証機能も搭載されています。
リターゲティング広告(リマーケティング広告)リターゲティング広告はさまざまな媒体で表示できますが、Google広告やYahoo!広告、Facebook広告やSNS広告などで配信することが可能です。
MAツールMAツール(マーケティングオートメーションツール)は、リードナーチャリングで使われる代表的なツールです。リードナーチャリングに必要となる機能や業務は、MAツールを活用すればほとんど網羅・効率化できます。ツールによって搭載されている機能は異なりますが、効率よくナーチャリングを行いたいのであれば、MAツールを積極的に活用することをおすすめします。
MAツールでできること
- お客さま情報の一括管理
- 行動管理
- 育成状況のスコアリング
- マーケティングシナリオ作成
- メール配信
- SNS連携
- レポーティングや分析
このように、MAツールを活用すればリードナーチャリングで必要となる機能や業務がほとんど網羅できます。ツールによって搭載されている機能は異なりますが、効率よくナーチャリングを行いたいのであれば、AMツールを積極的に活用することをおすすめします。
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