

データマネジメントってなに!?企業が管理するお客さま情報の量や種類が増えてきた近年、CRMで集めた情報にはさまざまな形式・項目のものが含まれていて、そのままでは活用しにくい状態になっている場合が増えてきました。今回は、そんな複雑なデータをマーケティングやビジネスで活かすための状態を継続させる「データマネジメント」の役割とCRMの種類についてご紹介します。
先輩!部長からCRMの情報を参考に新しい販売戦略案を考えてほしいって言われたんですけど……。データが多すぎて何を見たらいいかわからないし、なんだか形式がバラバラで確認するのが大変なんです……!
なるほど……。ビギニャー君、CRMのデータが活用しにくかったり確認しにくかったりするのって、マーケティングによくある課題なんだよ。
え、そうなんですか!?てっきり、CRMの情報ってそのままでもマーケティングに活用できると思っていました!
CRMをマーケティングに活用するときのよくある課題

自社の商品を多くのお客さまに届けたり企業の利益を向上させたりするためには、CRMの実施が欠かせません。CRMに蓄積したお客さまに関するデータが多いほど、企業は「どのような商品をおすすめしたら買ってくれそうか」「どのようなお問い合わせ対応をすればいいのか」を判断しやすくなります。そのため、CRMで蓄積したデータは企業にとって大切な資産だと言えるのです。
しかし、社内のシステムに蓄積されているデータは、そのままの状態だとマーケティングに十分に活用することは難しいかもしれません。なぜなら、企業が蓄積した情報の種類や量はとても多く、分析に時間がかかりすぎたり項目がバラバラだったりするためです。例えば「さまざまな社内システムや媒体に情報が散らばっている」「データの粒度(細かさ)がバラバラ」「新しいものと古いものが混ざってしまっている」といったデータの状況に頭を抱えている企業も多いことでしょう。
そのため、CRMを活用してマーケティングをするときはデータをただ集めるだけではなく、分析できる状態に継続して管理しておかなくてはいけないという課題があるのです。

CRMとは、Customer Relationship Management(カスターマー リレーションシップ マネジメント)の略で、「顧客関係管理」という意味.....
なるほど……!データは集めて終わりではなく、分析や活用ができるように管理しておかなければいけないのですね!
おっ。さすが飲み込みが早いねビギニャー君、そのとおりだよ。
CRMのデータをビジネスやマネジメントで活用できるようにするためには、データマネジメントを行う必要があるんだ。
情報管理と活用できる「データマネジメント」とは?

データマネジメントとは、企業が収集した購買情報、Webの行動履歴などといったデータをマーケティングでより利用しやすくなるように加工したり、管理したりすることです。
情報の統計をとって分析したりマーケティングで活用しやすくしたりするためには、「データが最新のものかどうか」「どの程度データに抜けや漏れがあるか」「矛盾や偽りのないデータか」などを細かく確認し、正確で最新の状態を維持できるように管理することが肝心です。
データマネジメントと言っても、行われる業務の内容はさまざま!たとえば、以下のような業務がデータマネジメントに含まれます。
データマネジメントの業務例
- CRMでデータを登録・更新し、実際にマーケティングで活用する業務
- 上記の業務のために必要なデータを蓄積するシステム開発や維持管理を行う業務
- データを加工して可視化したり活用できる状態に加工したりする業務
- 効率的かつ安全にデータを利用するためのセキュリティ管理や責任体制の確立
このようにデータマネジメントの業務は情報の管理だけではなく、情報を蓄積するためのシステム開発や維持、安全にデータを利用するためのセキュリティ整備など、たくさんの種類があります。
データマネジメントの役割は、「企業の目的を達成するためにはどのようなデータが必要で、どのように集めて、どのように加工して活用するのか」を総合的に計画して実行していくことなのです。
わかりました先輩っ!まずは目的や課題にあわせて「どんなデータがほしいのか」を整理したうえで、CRMなどで集めた情報を加工すればいいんですね。
データマネジメントで正しい情報を収集できる環境を整えたり、情報の品質を良くしたりすれば、販売戦略案を考えるとき以外も役に立ちそうですね!
鋭いね、ビギニャー君。データマネジメントで集めて管理したデータは、さまざまな形でマーケティングの手助けをしてくれるよ。
データマネジメントの活用例
データマネジメントを行うと、どのようなことができるようになるのでしょうか?もっとデータマネジメントについて理解するためにも、データをマーケティングに利用する活用例について見ていきましょう!
顧客・商品分類
データマネジメントを行えば、契約内容や利用商品によってお客さまや商品を分類し、利用実績を正確に把握することができます。正確な利用実績がわかれば、お客さまを分類できて今後の施策に役立てたり、人気な商品や不人気な商品、それぞれの課題や改善策などを判断したりすることができるでしょう。
複数のデータを組み合わせて今後のマーケティング施策を考える
CRMで蓄積した複数のデータを組み合わせれば、今後のマーケティング施策を考えることが可能です。たとえば、ECサイトの「直帰率」と「新規・リピーターの割合」という2つの軸をかけ合わせて分析したとき、新規ユーザーの直帰率が高いことがわかったとします。この場合、新規ユーザーがすぐに離脱してしまわないよう、「新規登録者限定のセールページを作る」「関連コンテンツや自社の強みを上部に掲載して興味を惹く」などといった改善策を考案することができます。
属性ごとにレコメンドする
CRMやデータマネジメントで正確な利用実績がわかれば、お客さまを属性分けして、それぞれに最適な商品を案内できます。たとえば、高額な商品を多く購入するお客さまを「高級志向タイプ」、話題の商品を多く購入するお客さまを「流行追求タイプ」と分類することで、それぞれに興味がありそうな商品を的確におすすめできますよね。より趣味や志向に合った商品をアピール(レコメンド)ができるので、効率的にマーケティングができるようになります。
効果的な訴求方法を導き出す
商品を購入する頻度や解約状況などといった情報をデータマネジメントで明らかにできれば、効果的な訴求方法を導き出せます。たとえば、契約から半年で解約する人が多い場合は「4~5か月時点でお得な継続キャンペーンを届ける」、商品を購入する頻度が低い場合は「半年以内のリピート購入でポイント3倍クーポンを配布する」などといった訴求が可能です。また、メールマガやSNSなどといった訴求方法ごとの反応をデータとして蓄積すれば、より反応が大きい訴求方法も見えてくるでしょう。
お客さまの行動から成功ルートを探し出す
CRMで蓄積した情報をデータマネジメントで活用できれば、お客さまの行動からルールを探し出し、成功ルートを導き出せます。たとえば、「缶ビールを買ったお客さまの70%が柿の種を買っている」ということがわかれば、ビール売り場の近くに柿の種を置くことで売上アップを狙える可能性が高まるでしょう。このようにデータがたくさんあると、数字という客観的な根拠に基づいた仮説が立てられるようになるのです。
わ~、データマネジメントをするといろいろなことができるのですね!頼まれていた仕事のついでに「顧客分類」もして、部長に僕の成長を見せちゃおっかな!
やる気があって素晴らしいねぇ~!そんなやる気のあるビギニャー君に、データマネジメントで重要になる2種類のCRMについても教えておくね。
し、CRMが2種類!?初耳です……!!!
データマネジメントのカギを握るCRMの種類は2つ!

データマネジメントをするときはCRMでお客さまの情報を蓄積することが大切ですが、一口にCRMと言っても、役割によって2つの種類に分類できることを知っていますか?データマネジメントを効果的に行うためにも、カギを握る2つのCRMの違いについて見てみましょう!
オペレーショナルCRM
オペレーショナルCRMとは、お客さまとの接点で最適な対応を目指すために重要となるCRMです。お客さまとの接点とは、広告やお店での接客、コールセンターのお問い合わせなどを指します。
たとえば、コールセンターで導入されているCTIは、オペレーショナルCRMの役割を果たしてくれる代表的なシステムです。CTIシステムを活用すれば、お客さまから電話がかかってきたときに自動で顧客情報を表示してくれるため、円滑なコミュニケーションが行えるようになります。ほかにも、営業支援システム(SFA)を活用してお客さまごとに最適なサービスを提供したり、顧客層ごとに内容を変えてダイレクトメールを送ったりすることが、オペレーショナルCRMに含まれます。
このように、オペレーショナルCRMはお客さまの情報を蓄積することで、対応時の満足度を高めたり一人ひとりに最適な施策を考えたりするときに役立つのです。
アナリティカルCRM
アナリティカルCRMとは、お客さまのことを深く理解するときに重要となるCRMです。具体的には、オペレーショナルCRMで収集した情報を分析し、お客さまのニーズや行動を把握することを指します。
お客さまの購買行動をルール化して、マーケティングの計画を立てたり検証を繰り返したりすることがおもな活用目的となります。アナリティカルCRMでお客さまのニーズを深く理解できれば、勘に頼ることなくデータに基づいた施策の実行が可能となるのです。
なお、オペレーショナルCRMとアナリティカルCRMは、それぞれ独立したものではありません。オペレーショナルCRMで蓄積した情報がアナリティカルCRMで活かされ、アナリティカルCRMの分析内容はより効果的なオペレーショナルCRMに活かされます。両方とも重要なCRMなので、目的に合わせてどちらも活用することが大切です。
なるほど~、目的ごとに最適なCRMって違うんですね!データマネジメントのときは、両方の情報をしっかりと活用するように心がけます!
うんうん、しっかりと理解できたみたいでよかったよ。最後に、データマネジメントについてまとめておくから、軽くおさらいしようか。
データマネジメントでマーケティングの効果を最大化

データマネジメントは、社内で蓄積した統一性のないバラバラな情報を、ビジネスやマーケティングで活用できるように管理したり加工したりする業務のことです。
また、そのためのシステム開発や保守、安全なセキュリティ管理体制の確立、実際のデータ活用などもデータマネジメントに含まれます。「データをビジネスで活かすために必要となる業務全般」だとイメージしておくと、わかりやすいでしょう。
データマネジメントを行ってマーケティング効果を最大化するためには、オペレーショナルCRMとアナリティカルCRMの2つを活用することが重要です。蓄積したお客さまのデータを最大限活かせるように、データマネジメントの役割や重要性をしっかり理解しておきましょう!

マーケティングではおなじみのCRMには、「オペレーショナルCRM」と「アナリティカルCRM」の2種類があるって知っていましたか?この記事では、それぞれの目的や役.....
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