

Cookie規制とは、ユーザーの行動や情報を収集・活用するCookie技術の利用を制限する動きのことです。
日本では2022年4月にCookieを規制する法律が施行され、マーケティング業界に大きな変化をもたらしています。
この記事では、Cookie規制がマーケティングに与える影響と、今後ビジネスで気をつけたいことについてわかりやすく解説します!
ついに、日本でもCookie規制の動きが本格化したね。ビギニャー君、Cookie規制でマーケティングがどう変わるのか、ちゃんとおさらいできてる?
何回か先輩と一緒に勉強したのでなんとなく理解できていると思いますが……、これを機にもう一回復習しておきたいです!
そうだね。今後スムーズに仕事できるよう、今日は改めてCookie規制とマーケティングについて勉強し直そうか。
Cookie規制とは?

Cookie規制とは、Cookieが保存するユーザーの情報利用を制限する動きのことを指します。この規制によって、個人関連情報取扱事業者は本人の許可なしにCookieによる情報収集や活用ができなくなります。
これだけ聞いても、何がなんだかわからずに混乱してしまう初心者マーケターは多いかもしれません。まずは、Cookie規制に関する基本的な知識をみてみましょう。
そもそもCookieって?
Cookieとは、サイトを閲覧しているユーザーの行動や情報を、一時的にユーザーのブラウザに保存する仕組みのことです。
Cookieを使ってユーザーの行動を計測することで、サイトの分析やユーザーの興味・関心に合った広告(リターゲティング広告)の配信、IDやパスワードの入力省略といった機能が使えるようになります。
Cookieの種類
Cookieには以下のような種類があり、現時点で規制の対象となっているのは、おもにサードパーティCookieです。
- ファーストパーティ:閲覧しているサイトでしか利用できないCookie
- セカンドパーティ:他社のサイトが発行した、ファーストパーティCookie
- サードパーティ:閲覧サイト以外から発行され、サイトを横断して利用できるCookie
どうしてCookie規制が行われるの?
Cookie規制が行われる理由は、ユーザーのプライバシー侵害につながるためです。サードパーティCookieは自分が利用しているサーバー以外から付与され、ユーザーが知らないうちにその人の行動や個人情報を記録してしまいます。Webマーケティングの際は、その情報を反映して広告の配信などを行うので、人によっては「プライバシーの侵害だ」「監視されている」と感じてしまうこともあるでしょう。
こういったインターネットユーザーの不安を解消して個人情報を守るために、Cookie規制は重要性を増してきたのです。実際、過去にはサードパーティCookieを選挙活動に悪用したり、個人の行動を分析して他社に売ったりして問題になった事例も存在しています。

ファーストパーティデータとは、企業が自社で収集した顧客情報のことです。 Cookie(クッキー)規制や2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」の影響で、.....
海外では前からCookieが問題視されていて、日本よりも前に規制が始まっていたんですよね!
そうそう、よく覚えていたね!それじゃあ、日本のCookie規制がいつ始まるのかについては理解できているかな?
たしか、もう始まっているんですよね!えーっと……。
日本のCookie規制はいつから?

アメリカやEUなど、海外の一部地域ではすでにCookie規制が実施されており、違反した場合の罰則も用意されています。
日本では2020年6月に個人情報保護法が改正され、Cookieを活用したデータ収集と利用について同意取得が義務付けられました。2022年4月から実行されたこの規制は、マーケティング業界に大きな影響を与えると考えられています。
ちなみにユーザーから同意を得られれば、Cookieを活用した広告配信などを行うことは可能です。しかし、今後さらにCookie規制が厳しくなっていくことは十分に考えられるので、今のうちからサードパーティCookieに依存しないマーケティングに対応しておくことが非常に重要なのです。
おお、ビギニャー君正解だよ~!ちゃんとマーケティングのトレンドを抑えていて偉いね!
えへへ、ありがとうございます!ところで先輩、Cookie規制が始まったことで、僕たちマーケターの仕事にはどんな影響が出てくるんですか?
今後いろんな影響が出ることが考えられるんだけど、今のところ大きな影響が2つあると言われているよ。
Cookie規制がマーケティングに与える影響

Cookie規制が実施されると、マーケティングに以下のような影響を及ぼします。
リターゲティング広告の配信が制限される
リターゲティング広告とは、Cookieで収集した情報を活用して、一度自社に訪れたことがあるユーザーに対して自社の広告を配信する追跡型広告のことです。
たとえば、「とある通販サイトを訪問したら、ほかのサイトに行ってもその通販サイトの広告が表示されるようになった」という経験は誰にでもあるでしょう。これが、リターゲティング広告なのです。
自社に一度興味を持ったユーザーに訴求できるリターゲティング広告は、コンバージョン率や費用対効果が高いマーケティング手法として知られています。しかし、Cookie規制が実施されるとリターゲティング広告の配信が制限されるため、リターゲティング広告に依存している企業は大きな影響を受けてしまうことでしょう。
正しいコンバージョン数が把握できなくなる
Cookie規制でサードパーティの利用を拒否するユーザーが増えると、広告の効果を計測するツールがCookie情報を閲覧できなくなります。そのため、正確なコンバージョン数の計測が難しくなる可能性があります。複数の広告効果計測を一括管理できるツールやユーザーの行動を計測するツール、アフィリエイト広告などは、Cookie規制の影響を受けるおそれがあるため注意しましょう。
ちなみに解析ツールであるGoogle Analytics(GA4)は、Cookieに依存しないデータ計測が可能です。Cookie規制時代のデータ解析に欠かせないツールになっていくことが予想されるので、早めにGA4の導入を検討しましょう!
うぅ……、Cookie規制でかなりマーケティングに影響が出そうですね……。なんだか僕、これからうまくマーケティングできるか心配になってきました。
もちろん不安に感じることもたくさんあるんだけど、Cookie規制が行われていても、ポイントに気をつければ効果的なマーケティングは行えるよ!
Cookie規制のマーケティングで気をつけたいこと!?知りたいです!
Cookie規制時代のマーケティングで気をつけたいこと

今までCookieを活用していた企業がCookie規制時代のマーケティングに対応するためには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。ここでは、気をつけたいポイントや対処法を具体的にご紹介します。
同意管理ツールを導入する
まずは、同意管理ツールの導入を検討してみましょう。同意管理ツールとは、Webサイトに訪問したユーザーに対してCookie取得・活用を明示し、許可をもらうためのツールです。実際、Webサイトを閲覧しているときに、ポップアップでCookieの取得について同意を求められたことがある方は多いかもしれません。
このポップアップで拒否された場合はCookieが取得できませんが、同意が得られた場合は規制に対応しながらCookieが活用できます。同意管理ツールには無料のものと有料のものがあるので、まずは無料のものからお試し導入してみるといいでしょう。
サードパーティCookieに依存しない体制づくりをする
サードパーティCookieに依存しない体制づくりをすることも、意識したいポイントです。マーケティングの際は、サードパーティCookie以外にも以下のような情報を活用できます。
- ゼロパーティデータ:アンケートや口コミなどユーザーが自ら提供する情報
(ファーストパーティCookieの一部として捉えることも!) - ファーストパーティCookie:自社サイトのみで収集したCookieデータ
上記のデータはCookie規制に対応しており、信頼性も高いためこれからのマーケティングで重要性が増していくと考えられています。
カスタマージャーニーを意識したアプローチをする
今後はリターゲティング広告に頼ったマーケティングが難しくなりますが、お客さまの興味・関心、行動を踏まえたマーケティングが重要なことには代わりありません。Cookie規制に対応しながらお客さま一人ひとりに合ったマーケティングを行うためには、「カスタマージャーニー」を活用する戦略が大切です。
まずは企業の顧客像をいくつかのパターンに分ける「セグメント」を行い、それぞれの年代や行動、嗜好などを踏まえてカスタマージャーニーを作成してみましょう。
お客さま個人の行動や感情を正確に把握することはできませんが、各セグメントのプロセスごと行動を分析できれば、精度の高いマーケティング手法が導き出せます。
カスタマージャーニーで分析した情報をもとに、SNSや広告などのさまざまな手法を組み合わせてマーケティングを行うと、Cookieに頼らなくてもユーザーのニーズに応じた施策を実施しやすくなります。
この手法は、新規顧客の獲得だけではなくリピーターを増加させたいときにも有効です。このようにCookieに頼りきるのではなく、企業が主体となって積極的にお客さまの行動や感情の変化を知るための分析を行い、能動的に働きかけることを意識してみましょう。
自社コンテンツを強化する
コンテンツを強化し、広告がなくても自社で集客できる仕組みづくりをすることも非常に大切です。ここで言う自社コンテンツとは、企業ブログだけではなく、SNSやランディングページ(LP)、YouTubeチャンネルなど幅広いコンテンツのことを指しています。
自社コンテンツに魅力があれば、リスティング広告がなくても多くのユーザーに訴求しやすくなります。また、SEO効果が出てコンテンツの露出が増えれば、新規顧客の獲得にも大きく貢献してくれるでしょう。
自社コンテンツに集客できれば、それだけ多くのファーストパーティCookie情報が集められるようになります。その結果、さらに精度の高い顧客分析ができるようになり、訴求力が高いマーケティング施策の考案に役立てられます!
なるほど~。Cookieに頼らなくてもお客さまのニーズを理解したり、一人ひとりに合ったアプローチをすることはできるんですね!
そうそう。工夫次第で有効なマーケティングはいくらでも実行できるから、落ち着いて対処していけば大丈夫だよ。
ちなみに、Cookie規制に対応しながら広告配信する技術としてGoogleが開発している「Topics」については知ってるかな?
Googleの新サービス「Topics」にも注目!

現在、GoogleではCookie規制に対応したマーケティングを支援するための新サービス「Topics」を開発しています。
Topicsは、Chromeユーザーの過去3週間の閲覧履歴を保存し、「ペット」や「旅行」といった関心の高い項目を3つ選び、広告主に共有する仕組みです。Googleやほかの外部サーバーを一切介さず、完全にユーザーのデバイス上だけで項目を選定でき、ユーザーは自分の意思で項目の確認・削除、機能の停止を設定することができます。
Topicsはまだ開発段階ですが、2023年後半に終了するChromeサードパーティCookieの代替技術として検討されています。まだまだ最終的なサービス内容がどうなるかはわかりませんが、Webマーケティング担当者はGoogleの今後の動きにもしっかりと注目しておきましょう!
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