

LTVは、お客さまが企業に対して生涯にわたって、もたらしてくれる利益を意味する指標です。LTVがなぜ重要で、いつ活用されるものなのでしょうか?今回は、企業のWeb広告運用にも欠かせない、LTVの意味と活用方法についてわかりやすくご紹介します!
先輩先輩!この商品の広告予算を決めておいてって言われたんですけど…広告予算ってどうやって決めればいいんですか!?
お、いい質問だね。広告予算は、LTVから目標CPAを算出したうえで決めることが大切なんだ。
え、LTV…!?なにその「命の価値」的な言葉は…!? 先輩、よくわからないので詳しく教えてください!
そもそも、LTVってなんだろう?

LTVとは「Life Time Value」の略で、日本語に直すと「顧客生涯価値」という意味です。わかりやすく言うと、お客さまが企業と取引をスタートしてから終わるまでの期間に、どれだけ利益をもたらしてくれるかを表す数値のことです!
一般的に企業やブランド、商品に対して高い愛着心(ロイヤルティ)を持っているお客さまほど、何度も商品をリピートしてくれる可能性が高く、LTVは高くなります。
実際この記事を読んでいる人の中にも、お気に入りのブランドの商品を繰り返し購入した経験がある人は多いかもしれません。このような企業への愛着や購買行動が、LTVに大きく貢献しているのです。LTVは、以下のような複数の計算方法で知ることができます。
LTV算出方法
- (売上-原価)÷購入者数
- 平均購買単価×購買頻度×継続期間×収益率
- 平均購買単価×平均購買頻度
たとえば平均顧客単価1,000円、収益率が50%の雑誌を月に1回、1年間定期購読する場合、LTVは1,000円×1回×12か月×50%=6,000円ということになるわけです。
なるほど…お客さまが長期的にもたらしてくれる利益のことをLTVと言うんですね!でも、どうしてLTVを考える必要があるのですか?
LTVは、マーケティングのときにいろんなところで役立ってくれるんだよ。LTVが重要だと言われている理由を、詳しく説明するね。
LTVが重要な理由

マーケティングの際は、どうしてLTVの考え方が必要になるのでしょうか。LTVが重要な理由について3つご紹介します。
企業の利益がアップする
さまざまな商品やサービスがある今、自社の商品やサービスをお客さまに選んでもらうためには、多くのコストと時間がかかります。
そのため新しくお客さまを獲得することに集中しても、十分な利益を得るには時間がかかる場合があります。
また、マーケティングには「1:5の法則」と呼ばれる考え方があり、新しいお客さまや成約を1件獲得するためのコスト(CPA)のほうが、今いるお客さまといい関係性を築いて売上をアップするときの5倍多くかかるとも言われています。
そのため、今いるお客さまといい関係性を保ってリピートしてもらうことで利益を向上させる、LTVの考え方が注目されるようになりました。
顧客満足度を可視化できる
LTVは、お客さまの満足度をはかるための指標にもなります。LTVが向上しているとき、お客さまは商品に満足していて、長く商品を利用してくれていることがわかります。
反対にLTVが下がっているときは、お客さまが商品に何らかの不満を抱いている可能性があるかもしれません。
もちろん、商材のなかには何度も何度も繰り返し購入する必要がないものもあるため、「LTV=お客さまの満足度」とひと括りに言うことはできません。しかし、満足度を数値化するひとつの指標として、LTVの考え方は活用できるでしょう。
Web広告運用の目的を決められる
LTVは、Web広告を運用するときの目的を決めるときにも役立ちます。
LTVが低い場合、顧客単価、購買頻度、購買期間、顧客ロイヤルティなどに課題があると考えられます。
どこに課題があるかをしっかりと理解できれば、「関連商品の購入をおすすめする広告で単価をアップしよう」「ブランドイメージを高める広告でファン化を目指そう」などと、自社に合ったWeb広告運用の目的を決められるでしょう。
ふむふむ…。LTVが高いほうが、企業にとってはいい状態だということですね!
うん、とっても簡単にまとめるとそういうことになるね。それじゃあビギニャーくん、LTVを高めるためにはどうしたらいいと思う?
LTVを高める…!?うーーーん、どうしたらいいんだろう!!?
LTVを高めるためにはどうしたらいいの?

LTVを高めたいと考えたとき、どのようなことをすればいいのでしょうか。LTVの向上に効果的な施策についてご紹介します。
商材や想定するお客さま像によって、最適な施策は異なります。紹介した内容を参考に、自社に合った施策にカスタマイズしてみてくださいね。
購入単価を上げる
お客さまの購入1回あたりの単価を上げると、LTVを向上できます。商品の値上げだけではなく、上位モデルをおすすめする「アップセル」や関連商品をおすすめする「クロスセル」、セット販売なども有効です。
購入頻度を増やす
商品を今よりも頻繁に買ってもらえるようになれば、同じ単価でもLTVを高められます。買い替え時期や商品の魅力を知らせるリマインドメールの配信、定期的なキャンペーンの実施やクーポンの配布などが効果的です。
契約期間を延ばす
期間を定めて契約しているサービスの場合、契約期間を延ばすことでLTVの向上を目指せます。密なコミュニケーションでお客さまのニーズを満たす、解約しそうなお客さまにおトクな情報を提供するなどの施策が有効です。
自社を好きになってもらう
顧客のロイヤルティを高めて自社を好きになってもらうことも、非常に大切です。ブランドのイメージを高めてお客さまをファン化する、会員特典や会員ランク制度など、サービスを利用し続けるメリットが多いと、顧客から高い愛着を持ってもらうことができます。
収益率を高める
商品の原価を抑えて収益率を高めることも、LTVの向上には欠かせません。どんなにたくさん商品を売っても、収益率が低ければ企業が利益を得ることはできません。
材料費を減らすだけではなく、MAツールの活用や業務をシステムで自動化するなど、企業の経費や人件費などを見直すことをも収益率アップには効果的です。
先輩のおかげで、LTVについてはかなりわかってきました!ですけど…LTVと広告にはどんな関係があるのですか?
LTVを向上させるためには、広告の活用が欠かせないんだよ。それにさっき話したとおり、LTVがわかると広告予算を決められるようになるんだ。
LTVの広告運用にはどんな方法がある?

企業が利益を増やすためには、1回商品を買ってくれたお客さまにリピーターになってもらい、生涯の購入回数を増やすことが大切です。何度も商品を購入してもらってLTVを高めるためには、広告の打ち出し方がとても重要になります。
これから紹介する2つのポイントを踏まえて広告を上手に運用できれば、新しいお客様を獲得するだけではなく、今いるお客さまの単価を上げることもできます。
具体的な目的を定めて広告を運用する
LTVを高めるために広告運用するときは、具体的な目的を定めておくことが大切です。新規顧客を獲得したいなら、認知度を上げるために「テレビCMで多くの消費者に情報を届ける」、リピート購入を促したいなら、商品の買い替えタイミングを見て「会員向けのメルマガ広告を配信する」などといった施策が考えられますよね。
このように、新規顧客を獲得したいのか、既存顧客のリピート購入を促したいのか、顧客単価をアップしたいのかなど、目的ごとに適している広告の内容や媒体は異なります。LTVを高める広告としては以下のようなものが活用できるので、自社に合ったものを選んでみてください。
適切な広告予算を設定する
広告にかける予算を考えるときも、LTVがとても重要な役割を果たしてくれます。LTVがわかれば、目標とするべきCPA(顧客や成約を1件獲得するための費用)がわかるようになります。
目標CPA算出方法
LTV×粗利率=目標CPA
たとえば、LTVが10,000円の商品の粗利率が50%だとすると、目標CPAは10,000円×50%=5,000円ということになります。
つまり、成約1件あたりの広告費用を5,000円未満に抑えるべきだということになるのです。この商材で100人のお客さま獲得を目指すなら、5,000円×100人=500,000円が広告費の最大値となります。このように、LTVを活用すると適切な広告費を把握できるのです。
わー、ありがとうございます!これで依頼されていた広告の予算を考えてみます!
よかったよかった。LTVはマーケティングや広告の運用でとっても重要になる考え方だから、最後に改めてまとめておくね。
LTVを広告運用で活かすためのまとめ

LTVを広告運用で活かすためには以下の4点を意識することが大切になります。
- まずは自社のLTVを数値化する
- 自社の課題や商材、お客さま像に適したLTVの最大化方法を考える
- 目的や目標を設定し、適切な広告の運用や出稿方法を考える
- 適切な広告予算の範囲内で広告を運用する
やみくもに商品の単価を上げたり広告をたくさん出稿しても、思うようにLTVを向上させられない可能性があります。顧客単価や購入頻度などといったLTVをに影響するそれぞれの要素をしっかりと分析し、自社の課題や商材に適し改善方法を考えるようにしましょう。
そのうえで「広告で何を達成したいのか」をはっきりさせて、LTVをもとに導き出した予算の範囲内で広告を運用することが大切です。
わたしたち株式会社ゴンドラでは、
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