

PESOモデルとは、4つのメディアを活用して情報の拡散や集客を狙う、現代の消費者行動にマッチしたマーケティングモデルです。
トリプルメディアにシェアードメディア(SNS)を加えたPESOモデルには、どんな効果があるの?
当記事は、PESOモデルを構成するメディアの役割や集客事例についてご紹介します。
先輩っ!このお菓子知っていますか?なんかTwitterでバズったのがきっかけで、売り切れ続出しているみたいなんです!やっと手に入りました〜!
へぇ〜。今はこれが流行っているんだ。そのお菓子の会社は、PESOモデルを上手に取り入れた今時のマーケティングをしているんだね。
PESO……??なんのことですか……?
PESOモデルとは?今、マーケテイングで大注目!

PESOモデル(ペソモデル)とは、4つのメディアを組み合わせて行う、現代の消費活動にマッチしたマーケティング戦略のことでです。PESOモデルは、具体的に以下のメディアで構成されています。
PESOモデルを構成する4つのメディア
- ペイドメディア(Paid Media):テレビ広告など、お金を支払って掲載してもらうメディア
- アーンドメディア(Earned Media):第三者によって情報が発信される外部メディア
- オウンドメディア(Owned Media):自社が所有するメディア
- シェアードメディア(Shared Media):共有することを目的としたメディア
もともとは、ペイドメディアとアーンドメディア、オウンドメディアの3つのメディアを「トリプルメディア」(海外では「POEM」)と呼んでマーケティングに取り入れていました。
しかし近年は、そこにシェアードメディアを加えた「PESOモデル」を活用するメディア戦略の必要性が高まってきています。
なるほど!PESOってメディアの種類のことを意味していたんですね!
そうそう。そのお菓子がTwitterでバズって売れたみたいに、最近はシェアードメディアであるSNSがマーケティングでは重要な役割を果たしているんだよ。
へぇ〜、そうなんですね。でも、PESOモデルとトリプルメディア戦略って具体的に何が違うんですか?
「PESOモデル」と「トリプルメディア戦略」の違い

従来のトリプルメディア戦略とPESOモデルは、何が違うのでしょうか。
結論から言いますと、アーンドメディア(SNS)に対する考え方に大きな違いがあります。
そもそもトリプルメディア戦略って?
先述したように、以前はトリプルメディア戦略が主流でした。
トリプルメディアが発信されたのは2010年で、ちょうどインターネットが普及した時期。
従来のマスメディアだけではなく、さまざまなメディアからアプローチする必要があると考えられるようになり、トリプルメディア戦略というものが生まれました。
ペイドメディアで認知度を上げ、オウンドメディアで自社への理解を深めてもらい、アーンドメディアでファンの獲得を狙うというのが、従来の一般的なトリプルメディア戦略です。
PESOモデルとトリプルメディア戦略の違い
PESOモデルは、トリプルメディアにTwitterやInstagramなどを含むSNS(シェアードメディア)が追加されたものです。
トリプルメディアにおいても、実はアーンドメディアにSNSは含まれていました。
このSNSに対する考え方が、PESOモデルとトリプルメディア戦略では大きく異なるのです。
①トリプルメディアのSNS
アーンドメディアに含まれ、第三者による情報発信全般を指す
②PESOモデルのSNS
- アーンドメディアに含まれるSNS:インフルエンサーマーケティングなど、第三者の協力を得ながら、企業がある程度管理できるプロモーションのためのメディア
- シェアードメディアに含まれるSNS:一般のユーザー同士がコミュニケーションを取りながら情報を発信・拡散する、企業が管理できないメディア
以上のように、それぞれではアーンドメディアにおけるSNSの考え方が違うのです。
PESOモデルでは、「自社やインフルエンサーに依頼して発信する情報」と「消費者が発信・拡散する情報」を区別し、両方をマーケティング戦略に組み込んで活用していこうと考えています。
PESOモデルでは、「企業の発信もしくはコントロールできる第三者の発信」という企業目線のSNSと、「一般のユーザーが自由に発言する、企業側がコントロールできない発信」というユーザー目線のSNSの2つに分けて考えているんだ。
トリプルメディアよりも、もっとSNSを細かく分類する考え方って感じですかね……?でも、どうしてトリプルメディアからPESOモデルに変えていく必要があるんですか?
それじゃあ、今度はその理由について見てみようか!
どうしてPESOモデルが必要になったの?

現代のマーケティングでPESOモデルが必要になった理由は、ユーザーが情報収集するメディアが変化したためです。
一昔前までは、ユーザーにとって商品やサービスの情報源はテレビCMや雑誌広告、新聞広告などといったペイドメディアがメインでした。
そのため企業は、一方的に情報を発信し続けることで一定の成果を上げ続けることが可能でした。
しかし、近年はIT技術が大きく進歩したので、スマートフォンなどを通してユーザー自身が情報収集できるようになってきていますよね。
必要な情報だけを調べて集め、不要な情報には目を通さないという方が増えてきたので、今までのような発信方法だけではユーザーの興味を引くことが難しくなってしまったのです。
加えて、ユーザーは企業が発信している情報よりも「第三者の口コミや正直なレビュー」を重要視するようになってきました。
「インスタ売れ」や「TikTok売れ」という言葉が生まれたことからもわかるように、一般の消費者がSNSで発信した情報が企業の売上に直結するケースが増えてきたのです。
こういった現代の消費者の行動にマッチした戦略を練るためには、企業からの発信だけではなく、一般ユーザーによる発信を活用したマーケティングが欠かせません。
そのため、トリプルメディア戦略の先にあるPESOモデルを使いこなす必要性が高まってきているのです。
たしかに、僕の周りでもSNSのレビューを見て商品を購入する人が多い気がします!前と比べると、SNSの影響力は増してきていますよね。
そうなんだよね。でもね、SNSやシェアードメディアだけに頼り切ってマーケティング成果を上げることは難しいから、ほかの3つのメディアもしっかりと活用する必要があるんだよ。
うぅ、SNS戦略だけに力を入れてもダメなんですね……。マーケティングって難しいです。それぞれをしっかりと活用するためにも、PESOモデルを構成する4つのメディアについて詳しく知りたいです!
PESOモデルを構成するメディアの特徴

PESOモデルでは、それぞれのメディアの特徴や強みをしっかりと把握し、連携させながら相乗効果を高めていくことが大切です。
ここでは、PESOモデルを構成するメディアについて詳しくご紹介します。
ペイドメディア(Paid Media)
テレビCMや新聞など、お金を支払って広告を掲載してもらうペイドメディアは、コストを支払うことで自社がコントロールできる広告を出稿できるところが大きなメリットです。
とにかく露出を増やすことで成約に直結する「今すぐ客」を獲得できるので、即効性のある販売促進を希望しているときに最適です。
〈ペイドメディアの一例〉
・テレビ、ラジオ、新聞、雑誌のマス4媒体
・リスティング広告
・バナー広告
・イベントのスポンサーシップ
アーンドメディア(Earned Media)
アーンドメディアは、第三者が運営している外部の情報発信メディアのことです。
第三者目線で評価・発信してもらえるので、ユーザーから高い信頼を獲得したり相互理解を促したりできる点が大きな特徴です。
商品やサービスのブランディングに役立ちますが、しっかりとコントロールできないと悪いブランディングにつながるおそれもあるため、注意しなくてはいけません。
〈アーンドメディアの一例〉
・広報によって掲載された取材記事
・パブリシティ活動などのPR領域
・インフルエンサーのブログ
・インフルエンサーのSNS
・口コミやレビューサイト
オウンドメディア(Owned Media)
オウンドメディアとは、企業が自社で所有するメディアのことです。
企業が主体となって自由に情報発信できますし、内容もコントロールできるため、ペイドメディアでは伝えられない深い情報を発信したいときに活用できます。
顧客の育成や企業のブランディングを行えるので、根強いファンの集客や長期的な集客手段の確立に効果的です。
〈オウンドメディアの一例〉
・自社ホームページ
・自社ブログ
・メルマガやDM
・SNS公式アカウント
・ホワイトペーパー
シェアードメディア(Shared Media)
シェアードメディアは、共有することを目的としたメディアです。
企業側である程度情報をコントロールできるアーンドメディアとは違い、一般のユーザー同士が情報をシェアするために活用されるメディアを指します。
4つの中で唯一、企業ではなく完全に消費者がコントロールするメディアとなります。
〈シェアードメディアの一例〉
・Twitter
・Instagram
・Facebook
・TikTok
・YouTube
それぞれの違いはよくわかったんですけど、具体的にどんな感じで集客につなげていけばいいんでしょうか……。あまりイメージが湧かないです。
そうだよね。それじゃあ、最後にPESOモデルを取り入れて集客する方法の事例を紹介するね!
マーケティングや集客って正解がないものだから、事例を参考にしつつ、自社の商品に合ったメディア戦略を考えることが大切だよ。
PESOモデルの集客事例をご紹介

PESOモデルを意識してマーケティング戦略を行なうと、どのような集客モデルとなるのでしょうか。
ここでは、PESOモデルの集客事例をご紹介します。
オウンドメディアをメインに拡散を狙う
もっとも一般的なのが、この集客モデル。
ブログや企業公式アカウントでの発信などを継続的に行い、それが多くのユーザーのシェアされることを狙う集客方法です。
たとえば、企業の公式YouTubeでユニークなチャレンジ企画を実施することでユーザーに見つけてもらい、Twitterなどで「面白いことをやっている」とシェアしてもらいます。
シェア数が多くなって話題になれば、テレビやネット記事といったアーンドメディアが取り上げてくれるようになるでしょう。
十分に認知度が上がったところでペイドメディアによる広告を打ち出し、さらなる認知度のアップと集客を行うというのが、近年では王道の集客モデルです。
ペイドメディアでオウンドメディアの認知を行い、拡散を狙う
こちらの集客事例も、オーソドックスな方法です。
テレビや新聞などのペイドメディアで広告を打ち出し、そこからオウンドメディアの認知度を高めて拡散を狙います。
たとえば、インパクトのある広告をテレビで放映して「続きはWebで!」と訴求。
興味を引かれてオウンドメディアを検索したユーザーがSNSなどで拡散することで話題性が高まり、最終的にテレビやネット記事などで取り上げられることによる集客を実現します。
ほかにも、PESOモデルを意識した集客方法はさまざま。
近年は、メディアを活用する順序に着目していろいろなルートで集客する戦略である「PESOオーダー」が話題となっているので、そちらも意識してみると効果的でしょう。
わたしたち株式会社ゴンドラでは、
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