

漏斗(じょうご/ろうと)を語源とするマーケティング用語「ファネル」。どんなもので、なんのために使うの?この記事では、ファネルの基礎知識から活用方法までを詳しく解説します!
シニヤン先輩~!A社さんのこの商品の購入数がイマイチで……なんとかしてあげたいんですけど、どうしたらいいでしょうか!?かなり認知されてる商品のはずなんですけど~!!
うーん、そうだなあ……ファネルを使って分析してみようか。
「ファネル」とは

「ファネル」とは、顧客行動の心理プロセスをフェーズ化し、当てはめたもののことです。ファネルを図で表した場合、基本的に漏斗(じょうご/ろうと)のような形の三角形が用いられます。
これは、面積の広い層ほど当てはまる顧客の数が多く、頂点に近付くほど少なくなることを表現しているためです。「ファネル」は、ときに「マーケティングファネル」と呼ばれることもあります。
各フェーズを確認してみるね。えーっとどれどれ……なるほど。「認知」から「比較・検討」までは問題なさそうだけど、そこから「購入」がうまくいってないみたいだね。競合商品と比較したときに見劣りしちゃってるのかな?
えっ! もう問題点わかっちゃったんですか!?
まあ、仮説だけどね。「マーケティングファネル」を使って分析してみると、顧客の行動や課題がなんとなく見えてくるんだよ。
3つの「マーケティングファネル」

マーケティングにおいて重要と言われる「ファネル」には、3つの種類があります。
これらはそれぞれ顧客の行動の心理プロセスを表していますが、どんな行動に焦点を当てているのかが異なります。
「ファネル」は、マーケティングの分析に活用することで、商品やサービスに興味を持った顧客の行動や課題を浮き彫りにすることができます。
パーチェスファネル

「パーチェスファネル」は、顧客の「購買行動」に焦点をあてたファネルです。消費者が商品を認知してから購入するまでの「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」といったプロセスをフェーズ化し、当てはめています。
最もポピュラーなものであるため、「ファネル」と言われるとまずこれを想像する人が多いでしょう。「パーチェスファネル」は、大きく3つの段階に分けられます。
TOFU(Top of the Funnel/トップ・オブ・ザ・ファネル)
主に「認知」の層で、潜在顧客へと繋げる段階です。この層へのアプローチは、いかに自社のWebサイトを見つけてもらい、訪問者(潜在顧客)を増やすかが重要です。
また、認知してもらうための興味を引く情報を提供する仕組みや顧客の抱える問題を解決する商品・サービスの情報を発信する用意ができるかどうかもポイントになります。
MOFU(Middle of the Funnel/ミドル・オブ・ザ・ファネル)
主に「興味・関心、比較・検討」の層で、見込み顧客の段階です。この層へのアプローチは、最初に顧客に感じてもらえたであろうメリットなどの深掘り情報を発信し、商品・サービスへの理解を深めてもらうことが重要です。
また、金額や機能を他社商品と比較したり検討している状態のため、それを意識したアプローチも必要になります。そういった情報を受け取ってもらえる環境を持つために、顧客と継続したコミュニケーションを取れる状況をつくれるとよいでしょう。
BOFU(Bottom of the Funnel/ボトム・オブ・ザ・ファネル)
主に「購入・評価」の層で、最も購入に近いと言える段階です。この層へのアプローチは、顧客が商品やサービスを購入しても大丈夫だと安心してもらえる情報提供が重要です。
また、実際に購入が達成された際には、お問い合わがしやすいなどのその後のフォローやサポート等を継続的に行っていくとよいでしょう。

インフルエンスファネル

「インフルエンスファネル」は、顧客の「購入後の行動」に焦点をあてたファネルです。SNSの普及に伴い一般化されたファネルで、顧客が商品やサービスを自主的に情報発信することをゴールと定義します。また、その定義から、「インフルエンスファネル」は、大きく3つの段階に分けられます。
リピート
商品を購入してくれたことのある顧客をリピーターへと繋げる段階です。アフターフォローによって、より長く顧客になってもらうことが重要になります。
ファン化
顧客との繋がりや信頼関係を育て、自社のファン化を促す段階です。この層へのアプローチは、よりメリットのある情報やコミュニティなどの提供が重要になります。
共有、発信
ファンとなった顧客が情報を発信・拡散する段階です。顧客が自発的に商品の魅力などの情報を広めてくれるため、潜在顧客の購買促進や新規顧客の獲得に繋がります。
ダブルファネル

「ダブルファネル」は、「パーチェスファネル」と「インフルエンスファネル」を組み合わせたファネルです。認知から購入までにとどまらず、共有・拡散を含めた一連のプロセスで顧客の行動心理を分析します。
「ダブルファネル」は、「パーチェスファネル」と「インフルエンスファネル」それぞれでの段階のほかに、さらに4つの段階に分けられます。
プロモーションフェーズ
パーチェスファネルでいう「TOFU(トップ オブ ザ ファネル)」で、主に「認知」の層です。
商品やサービスを顧客に知ってもらい、潜在顧客へと繋げる段階です。
アクイジションフェーズ
パーチェスファネルでいう「MOFU(ミドル オブ ザ ファネル)」や「BOFU(ボトム オブ ザ ファネル)」で、主に「興味・関心」や「比較・検討」、「購入・評価」までの層です。見込み顧客をリスト化してコミュニケーションをとったりなど、情報発信やアプローチを行う段階です。
リテンションフェーズ
インフルエンスファネルでいう「リピート」や「ファン化」の層で、主に顧客をファンへと育成する段階です。顧客のリピート購入を促し、信頼関係などを構築していきます。
インフルエンスフェーズ
インフルエンスファネルでいう「共有・発信」の層で、ファン化した顧客に商品の紹介や発信をしてもらう段階です。潜在顧客の購買促進や新規顧客の獲得に繋がります。
「ファネル」はうまく活用できれば、マーケティング分析における強い武器になるからね。ビギニャーくんも、活用方法をおぼえていて損はないよぉ!
お、教えてくださいっ!シニヤン先輩~!!
どんなときに使うの?「ファネル」活用方法
「ファネル」は、各フェーズの情報を整理しつつ、比較・分析することで、マーケティングにおける課題解決に役立てていくことができます。
顧客数の変動を見て、課題を明確化!

各フェーズでの「顧客数の変化」を把握することで、問題点や課題が浮き彫りにすることができます。
たとえば、下記のケースで考えてみましょう。
当サイト「LIFT」のページで……
<認知>トップページに100人が訪問した
<興味・関心>記事詳細ページに80人が遷移した
<比較・検討>資料DLページフォームに20人が遷移した
<購入>資料DL完了ページに10人が遷移した
この場合だと、「記事詳細ページ」では80人のユーザーに訪問されていますが、「資料DLページ」のフォームは20人にしか遷移されていません。
つまり「記事詳細ページ」から「資料DLページ」のフォームへの導線に問題があるのだと考えられるわけです。
もっと「資料DLページ」のフォームへ誘導を増やしたい場合は、「記事詳細ページ」から「資料DLページ」のフォームへの誘導部分を目立たせたり、導線を増やしたりなどの改善をすればいいでしょう。
このように、顧客数の変動の大きいフェーズがわかれば、その部分の施策を改善することができ、ゴールへの達成率向上に繋げていくことができるのです。
顧客数の数を見て、効果的なアプローチを立案!
ファネルを分析し「どのフェーズで顧客との接点を持つのか」を考えることで、そのためのより効果的なアプローチ方法を考えていくこともできます。
たとえば、「パーチェスファネル」で分析したときに「認知」の数が不十分であったなら、まずは「認知」を高めることが課題になります。その場合は、認知に適した「広告」や「SNSへの発信」がアプローチとしては効果的でしょう。
このように、各フェーズの顧客数を基にアプローチ方法を考えていくことで、より効果的な施策を行うことができるのです。

カスタマージャーニーマップは、お客さまが商品を購入するまでにたどる体験の旅を図にまとめたものです。 企業にとっては、まさに施策を決定するための「地図」になってく.....
「マーケティングファネル」の活用は、施策の強化や改善にとっても効果的なんだ。マーケターはもちろん、営業でも使える分析方法なんだよ。
な、なるほど~!!!これから活用してみますっ!シニヤン先輩、ありがとうございました~!!
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