

MAツールは、企業が接点を持った見込み顧客の情報を一括管理し、最適なタイミングで最適な情報を自動で提供するためのツールです。効率的にリードナーチャリングを行って自社のお客さまを増やすためには、MAツールの活用は必要不可欠!今回は、営業やマーケティングで活用したいMAツールの機能や導入のメリットをご紹介します。
先輩、今メルマガ登録してくれた皆さんのデータを取り込んで、一人ひとりにお礼メールを作っていたんですけど……、思ったよりも数が多くて大変で……。効率化する方法ってないですか?
ビギニャー君、まさかその作業を手動でやってるの?それなら、MAツールを使ったらどう?
MAツール!?なんですかそれ!?
MAツールとは?営業活動やマーケティングとの関係性

「MA(マーケティングオートメーション)」とは、見込み顧客(リード)の情報を一元管理して、新規顧客の獲得や見込み顧客の育成(リードナーチャリング)に必要な施策を自動化したり、効率化したりする仕組みやプラットフォームのことです。
MAを実施するためのツールを「MAツール」と呼びます。
そもそもマーケティングや営業活動って何?
そもそも、マーケティングとは「製品やサービスが売れるための仕組みを作ること」で、営業活動は「お客さまに商品を売る活動そのもの」を指します。
営業活動とマーケティングではそれぞれ役割が違いますが、リード獲得という意味では同じフロー上に存在しています。
MAを導入することでマーケティング業務全体が自動化され、その先にある営業活動が効率化できるのです。
MAと営業活動の関係性
たとえば、テレアポの対象リストを営業担当が自分で用意する場合は、企業の情報をもとに自分でリストを作ってアタックする必要があります。
この場合、リストを準備する時間が必要になりますし、アポイントが取れる確率が低い見込み客への営業も繰り返すことになると、なかなか成約を獲得できずに非効率的なサイクルを回すことになる可能性が高いです。
時間もコストも取られるのに成約につながらないなんて、とってももったいないですよね。
そこでMAツールを導入すると、見込み客の獲得はもちろん、精度の高いナーチャリングまでのプロセスを自動で実施できるようになります。
購入する可能性が高い見込み客を効率的にピックアップできるので、たとえ「マーケティングの実行やリストを準備する部門」と「営業部門」が分かれている企業だとしても、スムーズに連携しやすくなって商談のアポイント獲得や成約率の向上につなげられるでしょう。
ここまでの説明とオートメーション(仕組み化・自動化)という言葉を聞くと、「導入すれば自動でお客さまが増えるの!?」と思われるかもしれません。
しかし、実際はマーケティングをサポートするための効率化ツールなので、ほかのツールや担当者と連携しながら施策を実施していく必要があります。
へぇ~、こんなに便利なツールがあるんですね!これなら、僕が手作業でデータを取り込んだりたくさんのメールを作ったりする必要がなくなりそうです!
ところでビギニャー君、MAツールは近年注目されるようになったんだけど、その理由はわかるかい?
え、そうなんですか!?注目を集めている理由……。どうしてなんでしょう……?
なぜ今、MAツールの導入が必要なのか

MAは、近年重要性が増してきた考え方やツールです。
そもそも、どうして以前よりもMAツールが注目されるようになってきたのでしょうか。
消費者の購買行動が変化したから
MAツールの重要性が増した大きな理由として、消費者の購買行動の変化が挙げられます。
今までは、なにか欲しい物や悩みがあるときは、顔なじみの店員や担当してくれている営業マンに相談することが一般的でした。
しかし、近年は消費者自身がインターネットで情報収集を行い、必要な商品や解決策を自ら見つけることが当たり前になってきています。
店頭販売員や営業担当者が提案する前に購入商品を選び終わっている消費者が増えてきた影響で、そもそも検索したときにヒットしない商品や、検討段階で選択肢に入らない商品は、購入してもらえるチャンスが大幅に減ってしまったのです。
自社製品を検討・購入してもらうためには、日頃から見込み顧客とコミュニケーションを取ったり、情報を提供したりして検討段階で選択肢に入れてもらうことが大切です。
こういった業務は莫大な手間がかかるので、効率化するためのMAツールが注目されるようになったのです。
今までの営業手法が通用しにくくなったから
今までの営業手法が通用しなくなったことも、MAツールの必要性が高まったひとつの要因です。
不安定な経済状況の影響により、消費者は以前より慎重に商品を選ぶようになってきました。
今の消費者は、景気がよかった時代と比べると「無駄なものを購入することは避け、コストを抑えよう」と考えるようになってきています。
以前は企業が積極的に売り込めば、見込み顧客の購買意欲を推し量ることができましたし、すぐに売上に直結していました。
しかし、消費者が自身で情報を集めて慎重に検討するようになった現代は、消費者の購買意欲や営業活動の効果を測定することが難しくなっています。
そのためより一人ひとりに対して長くじっくりと向き合い、着実に購買意欲を高めていく施策が欠かせなくなったのです。
こういった活動を人の力で行うと効率が悪いですし、人手不足でなかなか実施できない企業も多いでしょう。現代の消費者に求められている営業手法に対応するためには、業務を効率化できるMAツールの活用が欠かせないのです。
なるほど……!これは僕も心当たりがあります。以前に比べると店員さんに相談することが減ったし、何でも検索して自己解決するようになりました!
そうなんだよね。だからこそ今は、昔のような対面で売り込む「ダイレクトマーケティング」が通用しにくくなってきているんだ。
ちなみに、MAツールにはいろんな機能が搭載されているから、メルマガの作成以外にも活用してみるといいよぉ。
MAツールの特徴と機能

MAツールはひとつひとつの製品ごとに特徴や機能が違いますが、ここでは一般的な機能についていくつかご紹介します。
見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)
MAツールを使用すると、自社商品を知ってもらうための施策や、見込み顧客の情報を収集するための施策を効率化できます。
〈機能の一例〉
・Web広告の配信
・Webコンテンツの作成
・SNS連携
・ポップアップ表示
・プッシュ表示
・レコメンド機能
・お問合せフォーム設置 など
見込み顧客の管理(リードの管理)
獲得した見込み顧客の年齢や性別といった属性、会員登録時の情報、行動履歴や嗜好などのデータは、MAツールで一元管理できます。
この情報を活かすことで、以下のような管理業務を自動化できます。
〈機能の一例〉
・データベースを作成
・属性ごとのセグメントやタグ付け
・メール配信リストの自動作成 など
見込み顧客の育成(リードナーチャリング)
見込み顧客を獲得して管理できたら、肝心のリードナーチャリングを行います。
MAツールでは、属性分けした一人ひとりの見込み顧客に対して、最適なシナリオの作成やメールの作成・送信、プッシュ通知やWeb広告、ポップアップの表示などを通して訴求することが可能です。
近年は、消費者一人ひとりの心理状態やニーズに合わせ、個別でコミュニケーションを取る「One to Oneマーケティング」の重要性が高まってきています。
MAツールを活用すれば、「どのお客さまに、どのタイミングで、どの情報を提供するのか」といった分析が必要な「One to Oneマーケティング」も効率化することが可能です。
また、メールの配信や通知の表示なども自動化してサポートしてくれます。
見込み顧客の選別(リードクオリフィケーション)
リードクオリフィケーションとは、購入の可能性が高い見込み客(ホットリード)を選別し、積極的にコンタクトをとることで効率よく営業活動を行うことです。
MAツールにはリードナーチャリングで育成した顧客の行動や成約確度などを評価(スコアリング)して、ホットリードをリスト化する機能が付いています。
作成されたリストを営業担当者に渡せば、確実に購入してもらえるお客さまに絞って営業することが可能です。
ちなみに、ホットリードのリストをスムーズに営業活動に活かす「SFA」というツールもあるので、一緒に活用することがおすすめです。
MAツールって、見込み顧客の獲得からリードナーチャリング、購入意思が強いお客さまの抽出まで全部やってくれるんですか!?すごい!!
そうなんだよ。すっごく便利だよね。MAツールの機能をしっかりと活かすことができれば、業務の効率化以外にも多くの効果が得られるんだ。
MAツールを導入して営業する効果とメリット

MAツール導入で得られる効果は、業務効率化以外にもたくさんあります!
お客さまに嫌われることなく、ニーズに合わせた営業手法で受注率をアップできる
企業が製品を売るためには営業活動が欠かせませんが、お客さまが必ずしも営業活動に対していいイメージを持ってくれるとは限りません。
たとえば「毎日メールが来る」「全然興味ない商品ばっかりおすすめされる」という場合、お客さまは不快感を抱いて、製品や企業自体にマイナスのイメージを抱いてしまう可能性があります。
MAでは見込み顧客の行動や興味に合わせて訴求できるため、連絡の頻度や提供する情報を最適化した「好かれるWeb接客」が実現でき、嫌われるリスクを低減できます。
つまり「売り込み型の営業」ではなく「ニーズに合わせた提案」を通して、マイナスのイメージを抱かせることなく受注率をアップできるというメリットがあるのです。
業務が属人化しなくなる
属人化とは、特定の人にしか業務が行えなくなってしまう状態を指します。
今までの直接売り込む営業手法は業務が属人化しやすく、スキルがある営業マンに受注率が集中しやすい傾向にありました。
しかし、MAツールを活用すれば、見込み顧客の購買意欲を高めるところまでの業務を自動化できるため、スキルが未熟な営業マンでも受注につなげやすくなるというメリットがあります。
客観的に情報を分析して自動的に訴求する仕組み作りができるので、勘や経験に頼った営業活動が必要なくなり、すべての営業マンが同じように成果を上げられる属人化しない環境が整うのです。
見込み顧客を取りこぼしくくなる
企業が抱えている見込み顧客には、「なんとなく無料会員登録しただけの方」「メールマガジン登録したけど見ないでに放置している方」「一度問い合わせただけの方」など、さまざまな状態の人がいます。
こういった見込み顧客は、一度自社の製品に興味を持ってくれているため、しっかりと訴求できれば購入につながる可能性が高いです。
しかし、実際には企業の時間や人材が不足していて、全く動きのない見込み顧客に対して何のアクションも取れていない企業が多いのではないでしょうか。
こちらからアクションしなければ、この状態の見込み顧客を高い確率で取りこぼしてしまうことになるでしょう。
より企業の利益を向上させるためには、お客さまの取りこぼしを防いで優良顧客に育成できる可能性があるお客さまをできる限り増やすことが大切なのです。
MAツールで接点を持ったすべての見込み顧客に訴求できれば、取りこぼしを徹底的に防ぐことができます。
アプローチの優先順位を客観的に判断しやすい
MAを導入すると、アプローチをすべき見込み顧客の優先順位を把握しやすくなります。
企業が集めた見込み顧客リストをもとにアタックをしようとしても、どの見込み顧客が購買意欲が高く、どの見込み顧客があまり購買意欲が高くない状況かを見極めることは難しいですよね。
その結果、やみくもにテレアポや飛び込み営業を続けることになってしまい、購買意欲が高くない状態の見込み顧客にまで多くの時間を費やすことになってしまいます。
もちろん積極的に営業活動をすることは悪いことではありませんが、このままでは効率が非常に悪いですし、お客さまに嫌われてしまう可能性があるかもしれません。
MAツールを活用すれば、見込み顧客の属性や行動などから「購買意欲が高い人」「購買意欲が低い人」を客観的に分類することが可能です。
営業担当者は、購買意欲が高い人から優先的にアプローチできるようになるので、営業効率がグッとアップします。
そのほかの購買意欲が低い人に対しては、引き続きメルマガやコンテンツの配信などを通じたリードナーチャリングを行って営業確度を高めていくことで、確実に成約につなげるためのマーケティング・営業サイクルを確立することができるのです。
企業にとってメリットが多いツールだと思っていましたが、お客さまにとっても「必要なタイミングで情報が得られる」「心理的負担になりにくい」というメリットがあるんですね!
お、さすがビギニャー君。そうなんだ。MAツールの活用は、お客さまへの利益提供にもつながるんだよ。最後に、より効果を引き出すための運用のポイントを教えておくね!
MAツールの運用を失敗させないための活用ポイント

MAツールはとっても便利ですが、ただ導入するだけでは効果を最大化できません。
最後に、運用を失敗させないための活用ポイントについてご説明します。
自社が抱える課題を洗い出しておく
企業ごとに抱えている課題は異なるので、まずは自社が抱える課題を洗い出して「どのように改善したらいいか」を考えてみましょう。
課題の洗い出しには、カスタマージャーニーマップの活用がおすすめです。それぞれのプロセスでどのような施策を行っているのか、どのような効果が出ているのか、どのような改善ポイントがあるのかをしっかりと把握できると、必要な機能を見極められるでしょう。
コンテンツを増やす
見込み顧客に対して最適なコンテンツを届けることもMAの大切な役割ですが、そもそもコンテンツを保有していない場合、MAを活用しても情報を提供することはできません。したがって、はじめにある程度コンテンツの数や量を増やしておく必要があるのです。
用意しておきたいコンテンツとしては、ブログ記事やホワイトペーパー、セミナーや製品資料などさまざまなものが挙げられます。
「興味段階の人にはブログ記事の配信」「検討段階の人にはセミナー」など、フェーズやや属性によって適しているコンテンツは異なります。
一人ひとりの検討プロセスに合った情報の提供を行いましょう。
顧客リストを準備してセグメントの設計を行う
MAツールにも見込み顧客を獲得するための機能は搭載されていますが、あらかじめ自社が今持っている見込み顧客の情報を整理して、活用できる状態にしておきましょう。
また、見込み顧客を属性ごとに分類して最適な訴求をする「セグメント」を行うためには、最初にツールで設定する必要があります。
どのような判断基準で分類するのかを考えておき、セグメント設計をする準備も進めておきましょう。
スコアリングに頼り切らない
MAツールには、営業角度の高い見込み顧客を抽出するスコアリングの機能が搭載されていますが、運用を続けないと抽出の精度は上げられません。そのため、必要な判断をMAツールだけに頼り切らないことが肝心です。
ある程度のマーケティング知識や判断力が必要であることを理解して、ツールと人の力を組み合わせて運用することが失敗を防ぐコツです。
リソースやノウハウを確保する
まずは、リソースやノウハウを確保しましょう。MAツールは見込み顧客への営業活動を自動化するために有効な手段ですが、すべての業務を任せることはできません。
データの分析やコンテンツの制作はある程度人の力で行う必要があるので、事前に担当者や運用体制を決めておくことが大切です。
十分なリソースやノウハウの確保が難しい場合は、専門知識を持った企業に相談してみることをおすすめします。

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「なかなか見込み顧客が購入に至らない・・・」
「営業やマーケティングに割けるリソースが足りない」
リードの育成にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください!