コアウェブバイタルとは?SEOへの影響や計測ツール、指標別の対策を紹介

コアウェブバイタルとは?SEOへの影響や計測ツール、指標別の対策を紹介

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コアウェブバイタルとは、Googleが発表した「Webサイトのユーザー体験(UX)を高めるための指標」です。

本記事では、コアウェブバイタルの影響やスコアの確認方法、3つの要素の改善方法についてご紹介します。

サイトの掲載順位にも影響するこの指標は、SEOで上位表示を目指す際に重要となります。しっかりと対策して、Web集客率の向上に役立ててみてください。

 
シニヤン

ビギニャー君、このページの表示速度が遅いから、ちょっと担当者に確認してきてもらってもいい?コアウェブバイタルのスコアが悪くなっているかも。


 
ビギニャー

いいですけど……、コアウェブバイタルってなんですか!?なんかカッコイイ!!

コアウェブバイタルとは?

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは、2020年にGoogleが発表した「ユーザー体験(UX)を評価するための指標」です。言い換えると、そのサイトがユーザーにとってどれくらい使いやすいものなのかを表す「UX指標」を指します。

もともとGoogleでは、UXを向上させるために「ウェブバイタル」というたくさんの指標を用いていました。しかし評価する指標があまりにも多く、何を改善すればユーザー体験を向上させられるのかわかりにくい点が課題として指摘されていました。

そこで、とくに重要な項目としてコアウェブバイタルが発表されたのです。コアウェブバイタルは、文字通り「サイトのユーザー体験(UX)を向上させるための“核”」となる指標です。

コアウェブバイタルがSEOに与える影響

サイトを運営するうえでコアウェブバイタルを意識しなければいけない理由は、SEOに大きな影響を与えるからです。UXを向上させるためのウェブバイタル指標は、どれもユーザーの使いやすさをアップさせるためには重要です。

なかでも、とくにコアウェブバイタルは最重要視されており、2021年6月からは検索順位を左右する要素として組み込まれています。※

つまり、自社サイトの上位表示を目指すためには、コアウェブバイタルの向上が欠かせないのです。以前はモバイル端末のみが対象となっていましたが、2022年2月からはパソコンにも適用されています。注意しなければいけないのが、コアウェブバイタルが高ければ必ず上位表示されるわけではない点です。

Googleからは、「同じ内容や品質の高さのページが複数ある場合、コアウェブバイタルが優れているページを優先表示させる」と発表されています。

SEO施策を成功させるためには、コアウェブバイタルだけではなくコンテンツの内容も高めることが肝心です。そのことをしっかりと理解したうえで、コアウェブバイタル改善に取り組んでくださいね。

 
ビギニャー

なるほど~、コアウェブバイタルはSEOに影響するんですね!たしかに、ユーザーにとって使いやすくて有益なコンテンツ作りが重要って、Googleがいつもいっていますもんね!


 
シニヤン

そうそう、UXを向上させることはSEO効果にもつながるから、両方の意味で重要なんだよね。


 
ビギニャー

そのコアウェブバイタルに含まれる指標って、どんなものなんですか?もしも指標の数値が悪かったら、どうすればいいのでしょうか……?

コアウェブバイタルの重要指標と改善方法

Googleがコアウェブバイタルとして指定している3つの指標は、以下のとおりです。

  • LCP(Largest Contentful Paint):読み込み時間
  • FID(First Input Delay):インタラクティブ性
  • CLS(Cumulative Layout Shift):視覚的安定性

ここからは、各指標の意味と改善・対策方法をみていきましょう。

LCP(Largest Contentful Paint):読み込み時間

LCPは、ブラウザ表示範囲の中で一番大きなコンテンツを読み込むときにかかる時間を表す指標です。具体的には、サイト内でメインとなる画像や動画が表示されるまでの待機時間を指します。GoogleにおけるLCPの評価スコア基準は、次のとおりです。

  • 良好:2.5秒以内
  • 改善が必要:4秒以下
  • 不良:4秒超

画像や動画が重すぎて、クリックしてもなかなかコンテンツが表示されないサイトにイライラした経験は誰にでもあるでしょう。LCPが低下するとUXが大きく低下してしまうため、多くの指標のなかで重要視されているのです。

LCPの改善方法

  • 画像や動画ファイルを圧縮する
  • 不要なコンテンツを削除する
  • 読み込みに時間がかかるCSSやJavaScriptを削除する
  • サーバーの応答時間を短縮する
  • ユーザー側に読み込み負担をかけないよう、サーバー側で処理を行う
  • 重要性が低いデータの読み込み優先順位を下げる

LCPが遅くなってしまう原因は、コンテンツ内のデータの重さです。そのため、データを減らしたりサイズを小さくしたりして、読み込みの負担を減らすことが大切です。

FID(First Input Delay):インタラクティブ性

FIDは、ユーザーがページで何らかのアクションを取ったとき、どれくらいの早さで反応するかを表す指標です。例えば、「ページリンクをタップしてからどれほどのスピードでページが遷移するか」について評価します。GoogleにおけるFIDの評価スコア基準は、次のとおりです。

  • 良好:100ミリ秒未満
  • 改善が必要:300ミリ秒以下
  • 不良:300ミリ秒超

クリックやタップ、テキスト入力したとき、反応速度が遅いサイトは使いにくいですよね。遅延速度を100ミリ秒未満に抑えられると、ユーザーにストレスを感じさせにくいサイトになります。

FIDの改善方法

  • 不要なJavaScriptを削除する
  • JavaScriptを圧縮する
  • 読み込みに時間がかかるJavaScriptは分割する
  • Webワーカー(バックグラウンドでJavaScriptを実行するツール)を使用する

FIDは、一気にたくさんのJavaScriptを読み込むことで低下してしまいます。JavaScriptとは、ユーザーのパソコンやスマートフォン上で動作する、動的なサイトを作るためのプログラミング言語です。

JavaScriptを使うと、「ボタンをクリックするとイラストが変わる」といったコンテンツを作れます。このJavaScriptを見直すことで、FIDの改善が目指せます。

CLS(Cumulative Layout Shift):視覚的安定性

CLSとは、ページを読み込んでいるときに、どれくらいレイアウトがずれるのかを表す指標です。サイトを見ているとき、少し時間が経ってから広告が表示されて、意図せずに広告をタップしてしまった経験はありませんか?

この予期しないレイアウトのズレが、CLSなのです。GoogleにおけるCLSの評価スコア基準は、次のとおりです。

  • 良好:0.1未満
  • 改善が必要:0.25以下
  • 不良:0.25超

CLSは「ずれが生じた表示領域の比率×距離の比率」という計算式を用いて測定できます。Googleは、この数値が0.1未満であることが理想的だと発表しています。

CLSの改善方法

  • 表示する画像のサイズを指定しておく
  • 読み込みに時間がかかる画像を使用しない
  • 画像のデータ量やサイズを一定にしておく
  • 広告などの動的コンテンツの表示領域を指定して空けておく
  • フォントの読み込みを優先させる
  • 使用するフォントを最小限に抑える

CLSの低下は、多くの場合で画像やフォントデータなどの読み込みに時間がかかることで起こります。あらかじめコンテンツを表示する幅について指定しておくと、CLSの改善を目指せます。

 
シニヤン

指標によってスコアが低下してしまう原因や改善方法は異なるんだ。しっかりと自社のコアウェブバイタルのスコアを計測して、指標にあった方法で対策していこうね。


 
ビギニャー

そのコアウェブバイタルのスコア計測って、どうやってやるんですか?


 
シニヤン

コアウェブバイタルは、無料のツールで簡単に計測できるんだよ。

コアウェブバイタルを確認する計測ツール

コアウェブバイタルのスコアは、無料で提供されているツールで簡単に計測できます。ここでは、コアウェブバイタルの計測に役立つ代表的なツールを紹介します。

  • Google Search Console
  • PageSpeed Insights
  • Web Vitals

各ツールの概要は以下のとおりです。

Google Search Console

Google Search Consoleには、蓄積したデータをもとにコアウェブバイタルを評価する機能が搭載されています。「ウェブに関する主な指標」のメニューを押すと、Googleが設定しているコアウェブバイタルの基準を満たしていないページを簡単にチェック可能です。

Google Search Consoleでは、ページを「良好」「改善が必要」「不良」の3段階でわかりやすく評価してくれます。検索パフォーマンスを確認するついでにチェックしておきましょう。

PageSpeed Insights

PageSpeed Insightsは、調査したいページのURLを入力するだけで、ページの表示速度を測定してくれる無料のツールです。ページ全体のスコアはもちろんのこと、LCPやFID、CLSそれぞれのスコアと改善点も提案してくれます。Google Search Consoleに十分なデータが蓄積されていない新規ページを調査したいときは、こちらのほうが便利でしょう。

Web Vitals

Web Vitalsは、Google Chromeの拡張機能です。計測したいページを開き、拡張機能のアイコンをクリックするだけで、簡単にコアウェブバイタルの計測結果をポップアップで知らせてくれます。画面を切り替えることなく気軽に調べられる点が大きなメリットです。

 
ビギニャー

へぇ~、いつも使っているSearch Consoleとか、無料のツールでも確認できるんですね!便利です!


 
シニヤン

簡単に計測できるから、ぜひ活用してみてね!


 
シニヤン

コアウェブバイタルの各指標の対策方法は説明したとおりなんだけど、基本の対策にプラスして知っておいてほしいポイントもいくつかあるんだ。

コアウェブバイタル対策のポイント

各指標の改善方法と一緒に押さえておきたいコアウェブバイタルの対策ポイントとして、次のようなものが挙げられます。

  • 新指標「INP」を押さえておく
  • エンジニアや外部業者と連携する

詳しくみていきましょう。

新指標「INP」を押さえておく

2024年3月以降、FIDの代わりにINP(Interaction to Next Paint)をコアウェブバイタルの指標とすることがGoogleより発表されました。INPは、ユーザーがページの読み込みを開始してから離脱するまでに発生する、ユーザーの操作に対する視覚的な反応で生じる遅延を評価する指標です。

遅延に関する指標なので、数値が小さいほど理想的な状態であるといえます。なお評価対象になるのは、次の3つの要素の合計値です。

  1. 入力遅延時間:ユーザーの操作が実行されるまでにかかる時間
  2. 処理時間:入力内容の処理にかかる時間
  3. 表示遅延時間:処理の実行が完了し、結果が表示されるまでの時間

FIDとINPの違いは、計測対象となるユーザー行動(インタラクション)です。FIDは「ユーザー行動が最初に実行されるまでの時間」を対象としており、INPは「ユーザー行動の最初から完了までにかかる時間」が対象となります。INPのほうが対象となる領域範囲が広くなっている点を押さえておきましょう。

エンジニアや外部業者と連携する

コアウェブバイタルのスコアが低い場合の原因究明や各指標の改善には、Webに関する深い知見が必要となります。そのため、コアウェブバイタル対策に取り組むときは、専門知識をもつエンジニアや外部企業と連携することをおすすめします。

知識がない人が見よう見まねで対処すると、操作を誤ってWebサイトやコンテンツに悪い影響を与えてしまうリスクがあります。わからないときは無理をせず、専門家に相談してください。

コアウェブバイタル以外のページエクスペリエンスシグナル

Googleはコアウェブバイタルと次の3つのシグナルを合わせて、ページエクスペリエンスを評価しています。

  • モバイルフレンドリー
  • HTTPS対応
  • 邪魔をするインタースティシャルの有無

ページエクスペリエンスを評価してもらうには、コアウェブバイタルに加え、上記の対応も必要です。

モバイルフレンドリー

モバイルフレンドリーとは、Webサイトがスマートフォンなどのモバイル端末に対応しているかどうかを評価する指標です。近年、パソコンよりもスマートフォンでWebサイトを閲覧するユーザーが多くなっています。

そのため、スマートフォンからの使いやすさが重要視されるようになったのです。モバイルフレンドリーに対応していない場合、検索順位が大幅に低下してしまう可能性があります。

モバイルフレンドリーテストは簡単に行えるので、自社サイトの状況を把握しておきましょう。モバイルフレンドリーに対応していない場合は、画面サイズにあわせてページを表示させる「レスポンシブデザイン」の導入がおすすめです。

HTTPS対応

HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)とは、セキュリティの高い暗号化通信(SSL)によって、安全にデータをやり取りする通信規格です。HTTPS対応のWebサイトは、ページのURLが「https」で始まっている点が特徴です。

ユーザーがWebサイトを閲覧するときは、必ずサーバーとのデータのやり取りが発生します。HTTPS対応のサイトでない場合、このやり取りの際に第三者による盗聴や改ざんが行われる可能性があり、個人情報の流出や悪用リスクが高まります。

そのため、暗号化を行って安全に通信できる環境を整えておく必要があるのです。HTTPSに対応しないと、ユーザーからの信頼性とSEO評価が大きく低下します。対応していない場合は、早急に「常時SSL化」を行いましょう。常時SSL化の設定は、レンタルサーバー内の管理画面で簡単に実施できます。

邪魔をするインタースティシャルの有無

インタースティシャルとは、Webページにアクセスしたときにページ全体を覆い隠すように表示される広告です。他にも、ページ離脱時に表示されるポップアップ広告がインタースティシャルの対象となることもあります。

インタースティシャルはユーザーの行動を邪魔するため、UXを低下させる要素としてGoogleからマイナス評価を受けます。インタースティシャルを表示させている場合は、ユーザーの行動を邪魔していないかを見直し、不要な広告は削除しましょう。

セーフブラウジングはランキングシグナルとして使用されていない

セーフブラウジングとは、ウイルスに感染しているサイトや不正なサイトにアクセスした際、ブラウザに警告を表示させる仕組みです。この機能は、ユーザー側で設定が可能です。一部では、セーフブラウジングの対象になるとSEO評価が下がるといわれています。

しかし、Googleは、この指標をランキングシグナルとして使用していないことを明言しています。また、ページエクスペリエンスレポートにも表示していません。これは、セーフブラウジングシステムがサイト所有者の意思でコントロールできる範囲外のものであるためです。

ただし、セーフブラウジングの対象になると、ユーザーに不信感を抱かれるリスクがあることは事実です。警告の表示を防ぐためにも、「悪意のあるコンテンツを掲載しない」「スパムコメントをブロックする」など、可能な範囲で対策しておきましょう。

ページエクスペリエンスを自己評価する方法

Google検索セントラルには、コンテンツのページエクスペリエンスを自己評価する方法が記載されています。

以下の質問に対する答えが「はい」の場合は、優れたページ エクスペリエンスを提供するために正しい方向に進んでいるといえるでしょう。

  • ページの Core Web Vitals は良好な状態ですか。
  • ページは安全な方法で配信されていますか。
  • コンテンツは、モバイル デバイスでも適切に表示されますか。
  • コンテンツに、主要なコンテンツを妨害する、またはコンテンツから注意をそらすほどの大量の広告が掲載されていませんか。
  • ページに煩わしいインタースティシャルがありませんか。
  • サイト訪問者がページのメイン コンテンツを容易に見つけて移動できるようになっていますか。
  • サイト訪問者が、ページのメイン コンテンツとその他のコンテンツを簡単に区別できるようにページが設計されていますか。

これらの質問は、検討すべきページ エクスペリエンスのすべての要素を網羅するものではありません。ただし、これらの質問に対応し、以下のリソースを参照することは、全般的に優れたページ エクスペリエンスを提供できるようにする際に有効です。

ページエクスペリエンスのGoogle検索結果への影響について|Google 検索セントラル

ページエクスペリエンスの方向性が単純に正しいかどうか知りたい場合は、ぜひ質問項目を参考にすると良いでしょう。

 
ビギニャー

SEO施策を実施するときって、本当にたくさんの指標に注意する必要があるんですね。もっともっと勉強していかないとな……。


 
シニヤン

ふふふ、勉強熱心で感心するよ。今後もコアウェブバイタルに関する変更があるかもしれないから、最新の情報をチェックしておこうね。


 
ビギニャー

はいっ!先輩、ありがとうございました!

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