

マーケティングではおなじみのCRMには、「オペレーショナルCRM」と「アナリティカルCRM」の2種類があるって知っていましたか?この記事では、それぞれの目的や役割の違い、データマネジメントを行って営業活動や業務に活用する方法をご紹介します!

CRMとは、Customer Relationship Management(カスターマー リレーションシップ マネジメント)の略で、「顧客関係管理」という意味.....
先輩先輩っ!ちょこっと耳にしたのですが、CRMに種類があるって本当なんですか!?
そうだよ。一口にCRMと言っても、役割や目的によって2つに分けることができるんだ。今日は、CRMの種類と情報の活用法について勉強してみようか。
えぇ~~~!知らなかったです!さっそく、1つ目のCRMについて教えてくださいっ!
顧客情報を管理する「オペレーショナルCRM」とは?

オペレーショナルCRMとは、「お客さま一人ひとりの満足を創る」ためのCRMです。このCRMは企業がお客さまと接点を持つとき、適切な対応をしたり関係性や信頼性を維持していくために欠かせない情報を集め、活用していく取り組みのことを指します。
広告や店舗接客、カスタマーセンター、メール、DMの送付など、企業はさまざまなところでお客さまと接点を持ちます。このときに、お客さまから登録してもらった情報や購入履歴、お問い合わせ履歴などがわかっていれば、一人ひとりに合った対応ができてお客さまの満足度を高めることが可能です。
具体例を挙げると、以下のような取り組みがオペレーショナルCRMに含まれます。
オペレーショナルCRMの具体例
- お客さまの特性ごとに適した内容のDMやメルマガを配信する
- 営業支援システム(SFA)を活用して個別のサービスを提供する
- カスタマーサービスの際に、お客さまの電話番号から顧客情報を呼び出す
このように、企業がお客さまと接点を持ったりカスタマーサポートをしたりする際、顧客満足度を高めるために重要となるのがオペレーショナルCRMなのです。

カスタマー・リレーションシップ・マネジメントの略である「CRM」と、セールス・フォース・オートメーションの略である「SFA」。それぞれどういうもので、どう違うの.....
なるほど~!お客さまの情報を集めてスムーズにコミュニケーションを取りたいときは、オペレーショナルCRMを活用するということですね!
そうだね。じゃあ、もうひとつのCRMである「アナリティカルCRM」は、どんな役割を持っていると思う?
アナリティカル……どっかで聞いたことあるぞ……。そうだ、「Googleアナリティクス」だ!ということは、分析に関係するCRMですね!
顧客情報を分析する「アナリティカルCRM」とは?

アナリティカルCRMとは、「お客さまをより深く理解する」ためのCRMです。オペレーショナルCRMで集めた顧客情報をより営業活動やマーケティングで活用するために分析して、お客さまの行動を予想したり、優良顧客になってくれそうなお客さまを発見・育成したりする役割があります。
オペレーショナルCRMは、お客さまとのコミュニケーションを効率化して満足度を高める手法やシステムであるであるのに対し、アナリティカルCRMは一歩先の情報分析や営業活動への応用を可能にする手法やシステムです。アナリティカルCRMを活用すれば、以下のような業務や営業活動が可能となります。
アナリティカルCRMの具体例
- 販売経路ごとのお客さまの行動傾向を分析し、それぞれに適したアプローチをする
- 顧客のアンケート結果を分析して優良顧客を絞り込む
- お客さまの購買行動から、セット購入が多い製品の傾向を探り出す
アナリティカルCRMは、お客さま一人ひとりを理解して長期的に良好な関係を維持していく「データマイニング」に似た手法だと考えられます。
データマイニングとは、さまざまなデータの中からルールや意味を探って「データの分析」をするのがおもな役割。似た言葉である「データマネジメント」は、散らばったデータを整理して分析しやすくするために「データの統合」をすることがおもな役割。
データマネジメントの代表的なツールとしては、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)というものが挙げられます。少し意味や役割が違うので、区別して覚えておきましょう!
それぞれの目的や効果は異なりますが、オペレーショナルCRMとアナリティカルCRMは決して独立したシステムではありません。それぞれが影響し合うことで、より営業活動の効率化やマーケティング効果の向上が目指せることを理解しておきましょう。
さすがビギニャー君、大正解だよぉ~!アナリティカルCRMは、お客さまの分析をするCRMなんだ。
やったー!名前である程度CRMの内容を区別できるから、覚えやすいですね!
ですが先輩、CRMで集める情報が多すぎて、どうやってマーケティングに活用したらいいかわからないです……。
そうだね。CRMで取り扱う情報は量も種類も多いから、「データマネジメント」で管理したり分析しやすいように加工したりする必要があるんだよ!
集めた顧客データは「データマネジメント」で管理

CRMで集めたデータには、多くの場合そのままの形式では営業活動やマーケティングに活用しにくいものも含まれています。そのため「データマネジメント」で見やすいように整理しておく必要があるのです。
近年、企業はCRMを実行するためにいろいろな顧客情報を蓄積するようになったため、膨大な量と種類のデータを管理しなくてはいけなくなりました。CRMを通して得られるお客さまの情報は、形式も項目もさまざま。
そのため、「情報によって保管されている場所が違う」「データの粒度(細かさ)が違う」「入力方法が統一されていない」など、情報の管理方法が統一されていない企業も多いのではないでしょうか。
このままでは、情報を確認するだけでも時間がかかりますし、集計したり分析したりすることは難しいでしょう。そこで、データマネジメントで情報を活用できるように管理することで、はじめてマーケティングに活かせるようになるのです。
ちなみに、データマネジメントの業務内容には、ほかにもデータを蓄積するためのシステム開発や維持管理、データを安全に利用するためのセキュリティ管理なども含まれます。CRMに情報を集めて活用するための業務全般を指すとイメージしておくと、わかりやすいかもしれません。

データマネジメントってなに!?企業が管理するお客さま情報の量や種類が増えてきた近年、CRMで集めた情報にはさまざまな形式・項目のものが含まれていて、そのままでは.....
な~んだ、顧客データをそのままマーケティングや営業活動に使うわけじゃないんですね!
でも、データって具体的にどうやって管理するんですか?数字や文字のままだとわかりにくいし……。
CRMで集めた顧客データは、視覚的にわかりやすい形に加工すると、管理や分析をしやすくなるよ。おすすめの管理方法について教えるね。
CRMの顧客情報は図や表で可視化すると便利!

CRMではお客さまの行動情報を蓄積していき、マーケティングのときはそれをチェックしながら営業活動を進めていきます。しかし、CRMで取り扱っている情報の量はとっても膨大!
単に数字や文字を見ているだけだとなかなか分析や活用をすることが難しいため、視覚的にわかりやすい形に加工して分析をしていくことになります。
CRMの情報を視覚化するときの方法は、おもに3種類です。ここでは、それぞれの方法がもつ特徴と適しているデータの特徴について見てみましょう。
チャート
チャートは、複数の項目がある情報を視覚的にわかりやすくまとめた図のことです。シンプルな箇条書きの図や、矢印や位置で視覚的な意味を与えた図、表組みにして大量の情報をわかりやすくした図などがあります。マーケティングやビジネスに馴染み深い、マインドマップやロジックツリーなどもチャートの一種に含まれます。
分布
分布は縦軸と横軸にそれぞれ項目を設け、対象とするデータがどれくらいの数で出現しているかを整理したいときに役立つ表形式の図です。山のようなカーブを描いた形の表になる「正規分布」や、上位2割のお客さまが売上の8割を支えているという80:20の法則を表す「パレード分布」などがあります。
推移
推移は、時間とともに変化するデータを表すための図です。経年とともに増減する売上や事業の成長などを視覚化したいときは、この形式で管理することが適しています。時系列での成長を表す「成長曲線」や時間とともに数値が減少することを表す「減少曲線」、事業や製品売上の推移を説明できる「S字曲線」などがあります。
なるほどぉ~!データによって適している管理方法が違うんですね!数字と文字だけだった情報も、こうやって図や表にするとわかりやすいですね。
そうなんだよね。情報を整理すると、分析しやすくなるよね。
ちなみに、CRMのデータを分析するときは、ほかにも2つのポイントを意識してほしいんだ。
CRMのデータを分析するときのポイント

CRMのデータを分析するときは、取り扱う情報の種類や活用の目的に応じて適切な管理をすることが基本となります。加えて、以下の2つのポイントを意識できるとさらに有効な分析ができるでしょう。
パレート(2:8)の法則を意識する
パレートの法則は、売上の8割は2割のお客さまに支えられているということを意味する法則です。
顧客情報の管理方法でも紹介した、「80:20の法則」と呼ばれることもあります。
たとえば自社の製品を分析したところ、購入者の大半が単価1万円程度の新規顧客で、次に多いのが年に10万円以上・4~5回購入してくれるお客さまだったことがわかったとします。
この場合の平均値を計算してみると、お客さま1人あたりの売上は6万円、購入回数は平均2.5回という数字になりました。
しかし実際にデータを可視化してみると、平均的な購買行動をしているお客さまはほとんどいなくて、年間10万円以上購入してくれているお客さまが平均を大きく引き上げていることがわかりました。
このように、単に平均値を出すだけではお客さまの正確な利用実績は把握できません。正しくデータを分析するためには、パレートの法則を意識しつつ、平均ではなく分布で観察する必要があるということなのです。
2つの分類型を使い分ける
お客さまの情報を分析し、傾向ごとにグループ集団としてまとめることを「グルーピング」と言います。
グルーピングをするときの項目としては「お客さまの志向」や「年齢」、「地域」などさまざまなものが使われますが、マーケティングでは基本的に2つの分類型を使い分けることが有効だとされています。
マーケティングの2つの分類型
- ライフスタイル型:お客さまがもっている価値観で分類する方法
- ライフステージ型:お客さまのライフステージに合わせて分類する方法
上記の2つの分類型に当てはめてグルーピングを行うことで、バラバラだった情報が整理され、全体像を理解したり目的に合わせて活用しやすくなったりします。
顧客データを管理したり分析したりしたら、実際にマーケティングや営業活動といった業務に活用していくことが大切だよ。
はい!マーケティングではCRMのデータを活用することが大切だって、入社当時からたくさん部長に言われています!
でも、活用って具体的に何をすればいいんだろう……???
CRMでデータマネジメントを実施する流れをご紹介

CRMに蓄積した顧客情報を商談やマーケティングで活用するためには、どのような流れで業務を進めていけばいいのでしょうか。
ここでは、CRMを活用してデータマネジメントを実施して業務改善する流れについて具体的にご紹介します。
業務点検
まずは、企業の営業活動やカスタマーサービスなどを含むすべての業務の点検を行っていきます。
業務フローの洗い出しや対応している担当者の整理、どのような業務を行っているのかをしっかりと把握しましょう!
目標設定
次に、データマネジメントを実施することで達成したいKGI(目標)やKPI(中間目標)を策定しましょう。そのうえでどのようにデータを集計・分析するのかを明確にし、実際にデータお客さまを分類したり、優良顧客に成長させるためのコミュニケーションシナリオを作成したりと、より具体的なデータマネジメントに入っていきます。
改定案策定
目標設定と分析が完了したら、その内容をもとに業務課題の洗い出しと解決策の検討を進めましょう。
このときに無理のある計画を立ててしまうと、せっかく数字をもとに論理的な分析を行った意味がなくなってしまいます。現実的に実現可能な改定案を作成し、達成を目指して着実に実践していくことが大切です。
以上で、CRMを活用してデータマネジメントや業務改善を実施する流れは以上です!
膨大なデータを自力で分析することは難しいため、データ管理機能がついているシステムの導入や、分析の代行サービスに対応している専門業者に依頼するとスムーズでしょう。
わたしたち株式会社ゴンドラでは、
お客さまの課題に合わせたCRMソリューションを提供しています。
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